【宝石の国⑥】
#投資 #ミャンマー #コモディティ 最後に冒頭でも触れた日本でも採れるヒスイについての雑学です。
◼️価値のあるヒスイとは
ヒスイと言えば中国のイメージがありますが実は中国でヒスイは採れません。ヒスイもこれまで解説したルビーやサファイア、スピネルと同様に最高の石はミャンマー産なのです。
最高級のヒスイは鮮やかな明るい緑で透明度と光沢を持つ「琅玕(ロウカン)翡翠」と呼ばれます。ルビーにおけるピジョンブラッド、サファイアのロイヤルブルーに相当する言葉が琅玕、つまりインペリアルジェダイトになります。
宝飾店などで琅玕(ロウカン)と称するヒスイを目にする事があったとしても、その殆んどはプラスティックで造られた様な透明感のない石です。この様なヒスイは、いくら大きくても投資対象としての価値はありません。琅玕(ロウカン)と呼ぶに値するヒスイとは非常に硬い石にも関わらずトロンとした軟らかな光沢がどこか有機物を思わせる鮮やかな緑色をした半透明の宝石で新聞紙に乗せると透けて文字が見える程だそうです。
ただしヒスイの「含侵処理」には注意が必要です。含侵処理とは前処理を施したヒスイを透明な樹脂に浸し内部に合成樹脂を浸透させる手法で、この処理によって石は透明感が増し良質なヒスイに見える様になります。しかし当然ながら含侵処理された石は天然ヒスイとは呼べず資産価値もありません。注意すべき点はいくつかありますがヒスイ自体は近年ますます希少化しています。数年前にはミャンマーのヒスイ鉱山で大きな崩落事故があり多くの工夫が亡くなりました。既にヒスイ鉱脈はあらかた掘り尽くされており今後の採掘はますます危険度を増してゆく事が予想されています。現在の相場はミャンマー産のロウカン1カラットで100万円程2カラットなら500万円程にもなりますが今後、更に値上がりする可能性が高いでしょう。
◼️日本の国石ヒスイ
「資源のない国」のイメージが強過ぎてピンと来ませんが日本もミャンマーに劣らない上質な翡翠を産出する国です。魏志倭人伝によれば邪馬台国女王の臺與から魏への進貢品に「孔青大句珠二枚(穴が空いて曲がった青い大きな玉2個)」と記載がありヒスイ文化としては最古の約7000年前、縄文まで歴史を遡る事が出来ます。
権威品として国内のみならず中国や朝鮮に数多くの硬玉翡翠が日本から持たらされました。
後に朝鮮王墓から大量に出土する翡翠勾玉の発見により当初、中国や朝鮮で採掘加工され日本へ下賜された物とする議論もあったのですが実際は新潟県糸魚川で採れた物で勾玉の加工を行った工房跡も発掘されています。この様に日本にも馴染み深く魅力的なヒスイ。資産価値の高い琅玕(ロウカン)の需要は上がり続けるでしょう。
現在、天然記念物として保護されている日本のヒスイですが近年新たな動きが出て来ています。と言うのも糸魚川の急流に洗われ砕けた翡翠は川の流れで海まで運ばれ近年まで浜辺で発見する事が出来たのですが無計画な堤防建設により流れが塞き止められた為、嘗て翡翠海岸と呼ばれた浜は急速にその面積を狭めています。
他の砂礫より比重の重い翡翠はテトラポットの底に埋もれ粉々になり人知れず消えている事実があり過保護にし過ぎた結果、貴重な資源を無駄にすると言う皮肉が問題視され始めました。サスティナブルの潮流に乗り堤防の配置変えや翡翠海岸の復活に向けた今後の動きに注目しましょう。いつか日本産の「琅玕(ロウカン)翡翠」手に入れたいですね。その際は是非、翡翠海岸で自ら発見してみたいものです。(宝石雑学~一旦おしまい)
#イラスト #宝石の国 #ジェード
日本のヒスイについての詳しい解説は下記リンクをご参照ください。
◆糸魚川の翡翠
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%B8%E9%AD%9A%E5%B7%9D%E3%81%AE%E3%83%92%E3%82%B9%E3%82%A4
出典: フリー百科事典『Wikipedia』
□◼️宝石の国①◼️□
https://postprime.com/5doTqEYXFWkxY/posts/864727
□◼️宝石の国②◼️□
https://postprime.com/5doTqEYXFWkxY/posts/865422
□◼️宝石の国③◼️□
https://postprime.com/5doTqEYXFWkxY/posts/868374
□◼️宝石の国④◼️□
https://postprime.com/5doTqEYXFWkxY/posts/871959
□◼️宝石の国⑤◼️□
https://postprime.com/5doTqEYXFWkxY/posts/876331