【宝石の国⑩】
#投資 #コモディティ #稀少石 本日は引き続き「四大稀少石」の1つ
#パパラチアサファイア についての雑学です。
◼️「稀少石の王」パパラチアサファイア
コランダム鉱石の中で赤いモノをルビー青いモノをサファイアと呼ぶ事は以前のお話でも解説※させて頂きましたが(詳しくは👇️)
※【宝石の国④】
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実は青だけでなくサファイアには様々なカラーが存在します。少しややこしいのですが赤いコランダムがルビーで、それ以外の色は全てサファイアに分類されます。そして青以外の色のモノを総称し『ファンシーカラーサファイア』と呼ぶのです。そんな数あるカラーの中でも最も希少で高い評価を得ている石がパパラチアサファイアと言う稀少石です。
「パパラチア」とはスリランカのシンハリ語で「蓮の花」を意味し清水で生育出来ず泥から生まれる神々しい姿から仏教で「極楽浄土に咲く花」として愛される宗教とも関わりある植物。そのミステリアスな色が蓮の花に似ている事から名付けられました。神秘に満ちたピンキッシュオレンジは、それまで発見されたサファイアの色には無くインド洋に沈む夕陽とも現地の人は称えます。
鉱物分類は酸化アルミニウムでガラス光沢、モース硬度9、劈開なしでコランダムの一種。ダイヤモンドに次ぐ硬度で割れ難くい。微量に混入した鉄、チタン、バナジウム、クロム等金属元素によるデリケートな色起源は千に1つ程の比率でサファイア中から現れるのだとか。オレンジともピンクとも形容し難い濃い目のカラーで輝きと耐久性を下げるインクルージョンの少ないモノが最高とされます。僅かでもピンクが強ければピンクサファイア、オレンジが強ければオレンジサファイアとなってしまう為、非常に狭い色範囲のパパラチアサファイアは大変希少で「幻のサファイア」とも呼ばれます。
主産出国はインド洋の島国スリランカ。発見の歴史は古く2000年以上も前に遡ります。この国は山岳地帯もありますが平地や高原が全体の7割を占める典型的な農業国。そんな農村風景の所々に人が出入り出来る様な井戸状の入孔口が作られており其がサファイア鉱山の入口です。地下25m位まで縦穴を掘り下げ粘土層にぶつかる辺りで水平方向に掘り進む…そこにはブルドーザーや重機の姿はなく人力による至ってのどかな”鉱山風景”が広がっています。
◼️業界激震!マダガスカル産パパラチア
2001年末頃マダガスカルで宝石ラッシュが勃発。その際マダガスカル産パパラチアサファイアも大量に市場に出回り始めます。暫くは全国宝石学協会もパパラチアの鑑別を発行していましたがアメリカサンタモニカGIAが衝撃の事実を発表した事で業界に激震が走りました。
それは表面拡散処理パパラチアと言われるモノで表面はパパラチアと呼べる色ですが中身は別の色のコランダムだったのです。
処理手法は従来の加熱処理と殆んど変わりませんが加熱処理の最終段階である1800度での加熱時にベリリウム粉末を加える事により表面の発色を元の色から別の色に変化させる事が出来ます。その内、桃色~橙色に変化したサファイアをパパラチアとして流通させました。なお表面拡散処理パパラチアを作り出す手法はベリリウム拡散加熱処理と言われます。
現在、表面拡散処理の鑑別が可能となった為「パパラチア」と呼ばれるのは飽くまでも加熱処理されたサファイアまで。ベリリウム拡散処理が確認されたモノはパパラチアサファイアとして認められる事はなく鑑別書に必ず記載されます。因みにベリリウム拡散処理されたパパラチアサファイアの特徴は彩度が極めて高くインクルージョンがほぼ無い点が上げられます。彩度とは色の鮮やかさの事で主観になりますが加工済みのモノは不自然な位、鮮やかなのに輝きに深みが無い様な気がします。
宝石好きの方であれば誰もが憧れる稀少石の1つパパラチアサファイア。もし投資資産としてお持ちになるのでしたらやはり「非加熱/no heat」を選びましょう。
『製作裏話』
以前ペン入れのみ※※で力尽き放置していた"宝石の国"の(多分)人気キャラ「みんなのお兄様」事、パパラチアさんです。生まれつき体に穴が空いててルビーを嵌め込んでいる、ほぼずっと寝てると言う不思議設定。内容を良く知らずに描いてるんでアニメ観たら理由判るんかな❓️🤔
空間圧迫してたボルツが着彩途中で邪魔になり削除。蓮の花を薄いグラデで背景に置き余白を取る事で髪のカラーを引き立ててみました。
#宝石の国 #パパラチア #イラスト #厚塗り
※※【宝石の国③】
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