歴史から教訓を引き出すのは有用ですが、同時に難しい作業でもあります。
金融市場の歴史は意外と短く、変数が多すぎて同じ組み合わせが二度揃うことはほとんどありません。
どの過去の局面が現在を最もよく説明するのかを判断するには、ある程度の洞察や物語性が必要になります。
そうした前提を置いた上で、現在の環境を理解する上で最も有用なテンプレートとして、1997〜1998年と2005〜2006年があります。
これらの時期は、サイクルがさらに続く可能性、株式がクレジットをアウトパフォームする展開でした。
両期間に共通していたのは、企業活動の急拡大でした。
現在もまさにそれが起きています。
米国の設備投資は2026年に23%、2027年に26%増加すると予想されています。
AIが最大のドライバーですが、エネルギーインフラの構築も役割を果たしています。
企業の設備投資拡大はグローバルな現象で、特にアジアで顕著です。
M&Aも同様です。
2024年初頭までは世界のM&A取引高が経済規模で調整しても過去30年で最も低い水準の一つに落ち込んでいましたが、現在は前年比64%増のペースで動いています。
マクロ指標も似ています。
米国のコアPCEインフレ、失業率、10年債利回りは、1997〜98年や2005〜06年の平均水準にかなり近い状況です。
2年債と10年債のイールドカーブも、当時と同様に全体としてフラット化しています。
もう一つ、見落とされがちですが重要な共通点は「規制緩和」です。
両期間とも金融規制の緩和が進みました。
現在もBasel Endgame、NAICのリスクウェイト、Solvency IIの変更、欧州や韓国などでの貯蓄制度改革など、明確に規制緩和の方向にあります。
より物語的に見れば、この二つの時期は現在の環境を説明する二つの典型的な語り口の「本の端」にもなっています。
1990年代後半は、変革的な新技術(当時はインターネット)への高まる期待と、より生産性の高い未来への展望で特徴づけられました。
現在のAIを巡る熱狂と重なります。
2000年代半ばは、格差が広がる経済と家計のストレスが目立つ一方で、上昇する市場勢力からの一見尽きない投資需要に支えられた成長でした。
当時は新興国、現在はAIです。再び似た構図が浮かびます。
これらの時期を指針とすれば、サイクルはまだ続き、企業の積極性が株式をクレジットより優位に置く展開が続きやすいと考えられます。
ただし、オデュッセウスの試練から学ぶべきことがあるとすれば、旅路には予想外の出来事が数多く待ち受けているということです。
※神話では、オデュッセウスは戦争の功労者でありながら、神々の怒りや不運によって10年間も海を彷徨うことになりました。
毎回のサイクルは、過去のパターンをなぞりながらも、独自の道を辿るものなのです。
この歴史的な類似性と相違が、今後の市場にどのような示唆を与えるのか。
引き続き注視していきたいと思います!
※『オデュッセイア』映画公開されるみたいです!
https://odyssey-film.jp/
P.S.
本日は家族で「焼肉の和民」にてランチでした!安くて美味しいのです☺️ 回転寿司のようなレーンがあり、お肉を運んできてくれるのです!それだけでも子どもたちは大喜び!安く親も大喜びです!