金融危機の初動において、AIが人間より遥かに早く売却に動くのは事実ですが、その挙動は運用の目的と設計によって3つに分かれます。
最も速く売却するのは、ヘッジファンドなどが運用する「マーケットニュートラル型AI」です。クオンツや高頻度取引(HFT)、CTAに代表され、市場ストレスを検知すると0.1秒単位でリスクオフの売りを出します。感情を排して自己資金の生存を最優先するため、過去のコロナショック初動などでも暴落を加速させる要因となりました。
一方で、WealthNaviなどのロボアドバイザーやETFに組み込まれる「パッシブ型AI」は挙動が異なります。これらは長期分散投資と定期的なリバランスを目的とするため、パニック売りは行わず、暴落局面でも静観を貫きます。
さらに、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など巨大機関投資家の「ガバナンス制約型AI」は、自動売却が厳しく制限されています。保有規模が大きすぎて即座に売れば市場崩壊を招くため、AIはアラート役に留まり、売買の最終判断は人間が下す設計です。
このように、初動で「最速の売り手」となり市場のボラティリティを急拡大させるのは、投機的なヘッジファンドのAIであり、すべての運用AIが一斉に投げ売りへ走るわけではありません。
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