過去10年間(2015〜2025年頃)における円建ての米国株(Samp;P 500)や全世界株式(MSCI ACWI)は、米メガテックの急激な企業成長と歴史的な円安が重なり、約3.5〜4.5倍(年率約14〜16%)という驚異的な伸びを達成しました。
これを日本全国の住居用土地と比較すると、株式市場の上昇ペースに迫る「2倍超」を達成した面積は、全国の全住宅地面積のわずか0.5%未満という極めて局所的な点にとどまります。該当するのは、東京23区の中心部や福岡市などの駅近好立地、あるいはTSMC進出で沸く熊本県菊陽町周辺といった、都市機能の集約や大規模な産業資本の投下が集中したごく一部の実需・開発エリアに限られます。
これに対し、全国の住宅地面積の99.5%以上は「2倍以下」に収まります。この層の価格は一般個人の給与所得や住宅ローン借入限界に縛られるため、大都市近郊や地方中核都市の標準的な住宅地(全国の約25〜30%)が1.1〜1.5倍前後の緩やかな上昇にとどまる一方、地方都市や郊外の既成住宅地、過疎地など全国の約7割を占める広大な土地は、1.0倍前後(横ばい〜下落)とインフレ下で実質価値を目減りさせています。
さらに、この全国的な価格低迷を決定づけているのが「空き家問題」です。総務省の住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は約900万戸、空き家率は約13.8%(約7軒に1軒)に達しており、地方や郊外では15〜20%を超える地域も珍しくありません。特に「2倍以下」の大部分を占める地域では、買い手も借り手も見つからない放置空き家が増加し、土地価格の構造的な下押し要因となっています。
全世界株式が「少額から世界経済全体のトップ成長を100%均等に享受できる」資産であるのに対し、日本全国の住居用地は「全国で1割以上の空き家を抱え、約99.5%が2倍以下の低成長・目減りに甘んじる中で、産業や都市機能が集約する0.5%未満の特定地点を引き当てた場合のみ大きなリターンが得られる」という、極めて過酷な偏在構造となっています。
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