昭和の時代、科学技術は人々の暮らしを本質的に豊かにするために存在していた。個人の移動範囲を大きく広げた自動車、新聞配達を劇的に楽にした原付、家事労働から女性を解放した洗濯機、そしてトイレを清潔に保つ温水洗浄便座。これらはすべて、日々の利便性と人間の確かな幸福に直結していた。
しかし現代、その在り方に歪みが生じている。科学的に考えることを非科学的な論にすり替えるのは、利権や権益を得ようとする金儲けに固執した姿にほかならない。コロナ禍でもその姿が露呈したように、人命に関わることですらデタラメな非科学的な行いが行われ、多くの人命が失われた。さらに、科学的根拠を欠いた環境問題のもとでCO2が利権化され、不便なEVや太陽光発電の導入が進められるなど、社会全体に人を不幸にする風潮が蔓延している。急進するAIもまた、仕事を奪うばかりか、ひとたび悪用されれば核戦争よりも深刻な人類滅亡の危機をもたらしかねない。それにもかかわらず、世界のトップリーダーたちが歴史に基づいた大変革期を冷静に読み解いているとは思えず、彼らすら素晴らしい未来が待っているとは明言しないのが現状だ。
どれほど技術が飛躍的に進歩しても、人間が不便や不安、そして破滅への恐怖を強いられ、精神的な豊かさを失うのなら本末転倒である。科学の高度化に反比例するかのように人間の質が低下していく現代において、私たちは「科学とは一体誰のためにあるのか」を今一度深く問い直さねばならない。
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