キャップジェミニ(IT・経営コンサルティングファーム)とUBS(世界最大の富裕層向けプライベートバンク)の調査結果からは、定義の違いによる日本の富裕層(ミリオネア)の実態と、格差が小さく分厚い中間層の存在が見えてきます。
日本の富裕層数は約290万人で世界第3位を誇りますが、調査機関の「物差し」で数字は大きく変動します。不動産や負債を除いた「投資可能資産」を測るキャップジェミニでは、株高の恩恵が反映され1年間で43万人増。一方、不動産を含め負債を引く「純資産」基準のUBSでは円安やローンの影響で3万人増に留まり、約14倍の差が生じています。また、人口比の富裕層割合(約2.5〜2.8%)は欧州並みであり、総数3位という数字だけで国全体が突出して豊かとは言えません。
しかし、注目すべきは日本の中間層の厚さです。成人1人あたりの資産を「平均値」で見ると日本は世界24位と米国(2位)に完敗ですが、実態をより正確に映す「中央値」では日本が10位となり、米国(28位)やドイツ(30位)を凌駕します。これは日本が主要国で最も富の偏りが少ない、格差の小さな国であることを証明しています。
さらに、日本の中央値資産は直近5年で50%以上も増加し、その成長率は世界1位を記録しました。近年、NISA(少額投資非課税制度)などの普及によって投資への一歩を踏み出し、着実に資産を拡大させてきた一般の中間層が日本経済の底力を支えていると言えます。
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