日経平均株価の過去5000日(約25年)のデータをもとに、利益を最大化するパラメータ探索プログラムを組み、バックテストを実施した。バックテストとは、過去データに売買ルールを当てはめ、その戦略が有効であったかを疑似検証する手法である。そこで得られた検証結果は、驚きを通り越し、ある種の感動すら覚えるものだった。
上昇した日と下落した日は、綺麗に2500日ずつに分かれた。市場はまさにランダムウォークそのものであり、明日の値動きを予測する確率は完全に50対50だった。
企業の基礎的条件(ファンダメンタルズ)の変化によって、長期的なトレンドや移動平均線のような大きなうねりは確かに存在する。しかし、その移動平均線の上にあろうと下にあろうと、翌日に上がるか下がるかの確率は厳密に50対50のままだった。さらに時間軸を広げ、週間単位での騰落を検証しても、結果は同様に50対50に収束した。
この結果は、バックテストにおける本質的な真実を浮き彫りにする。どれほど緻密に過去データを分析し、変数を過剰最適化(カーブフィッティング)しようと、日々の方向当てはコイン投げと変わらない。バックテストが真に示すべきは「未来を当てる魔法のパラメータ」ではなく、勝率50%の不確実性下で利益を残すための「損小利大の設計」と「資金管理=ポートフォリオ」である。冷徹なデータが、市場の真の姿を淡々と物語っていた。
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