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カシャッサ麻生
カシャッサ・カウンシル・ジャパン主任研究員
カシャッサでキリスト像を洗い清める伝統儀式 その儀式は、毎年、四旬節の初日(復活祭の46日前)である“灰色の水曜日”に200年以上にわたって行われてきた。儀式に参加するのは男性のみで、雰囲気は秘密めいているという。 ベロオリゾンチ大都市圏に属するカエテー市のモーホ・ヴェルメーリョの住人達の手で、去る3月2日(水)の午後1時ころ、聖母ナザレー教会に安置されている等身大の聖パッソス像(キリストの受難像)が、蒸留酒カシャッサで洗い清められた。地元紙「エスタード・ド・ミナス」が伝えている。 モーホ・ヴェルメーリョはカエテー市歴史地区から約8kmの距離にある地域で、約800名の住民が暮らしている。 かつての住民たちが行っていたのと同じように、儀式の参加者はひとりづつカシャッサのボトルを手にして教会に集まった。 儀式の参加者は、紫色のローブをまとって祭壇の中に立っている、18世紀から伝わる聖パッソス像を祭壇から降ろし、祈りを捧げた。ローブと下着を丁寧に脱がせた後、参加者は次々にカシャッサで像を洗い清めた。 像は木製の平らな器の上に置かれ、像にかけられたカシャッサは足元の器にためられる。 この儀式は像の木材の劣化やシロアリから防ぐために行われているという。実際に効用が現われているためか偶然かは定かではないが、聖母ナザレー教会のこの像は、現在のところ昆虫などの被害に遭っていないという。古くから伝わる知恵によると、アルコールは木材にかけても浸透することなく蒸発するという。 儀式の間、女性と18歳以下の者が教会に入ることが禁じられるため、参加できるのは大人の男性のみとなる。 34年間儀式に参加してきたアントニオ・イタマール・ヴィエイラさんの妻であるエヂナ・マリア・ロペス・ヴィエイラさんは「これは伝統であるため、私たちはこれを尊重しなければなりません」と語る。 「私が子供の頃、好奇心が強かったので、友達と一緒に儀式のとき教会に忍び込んで隠れて見ようとしました、しかし、父に見つかり連れ出されました」(エヂナ・マリア・ロペス・ヴィエイラさん)。 「私は、26年前に他界した義父アビリオ・ロペス・マガリャンイスに迎えられ儀式に参加するようになりました。キリスト像のお清めは世代から世代へ受け継がれるのです」(アントニオ・イタマール・ヴィエイラさん) 聖パッソス像は高さ1.85mで、革でできたストラップによって腕や脚の関節が動くように作られている。 カシャッサを捧げる儀式はおまじないの意味もあるという。 50年欠かさずこの儀式に参加しているジョゼー・マルシオ・ロペスさんは「私は常に、像の頭部をカシャッサで清めているので、頭痛に悩まされたことがありません」と語る。ジョゼーさんと、45年間儀式に参加しているアントニオさんは、祭壇から像を下ろす役割を務めている。 「謎めいた雰囲気で、常に厳かな気持ちにさせられます」(アントニオさん) 儀式を行うのは7名で、モーホ・ヴェーリョの地元住人だけでなくベロオリゾンチ市や近郊都市からの参加者もいる。最年長ではニウド・ジェズース・レアウさん(81)が参加した。 サンパウロ生まれでベロオリゾンチ市に居住しているジョゼー・カルロス・サッカリーナ・ヂアスさんは、20年間、この儀式に参加している。 「私はモーホ・ヴェーリョと深くつながっており、大いなる信仰を持っているので儀式に参加できて光栄です」(ジョゼー・カルロス・サッカリーナ・ヂアスさん) 妻のヴァレリア・セイシャスさんがモーホ・ヴェーリョの家庭の出身であるホジェーリオ・マトスさんは、儀式への参加について語る最も最適な言葉は、エモーションだということを認識したという。 カシャッサのお清めが終わると鐘が鳴らされ、儀式が終わったことが告げられると教会の前に、瓶を持った人々が集まってくる。お清めで器に貯められたカシャッサを分けてもらうためだ。 「これは奇跡を呼ぶ聖なる液体です。いくつかのお恵みがあったという話を聞いています。瓶に分けてもらった液体に、さらにカシャッサを加えてもより、ハーブ類を加えてもよし。さまざまな掛け合わせをすることができます」(ジョゼー・マルシオ・ロペスさん) 清められた像はこの後、四旬節の期間中、十字架を背負って神輿の上に乗せられ、教会の中でお披露目される。聖枝祭の日(復活祭の1週間前の日曜日)に行列と共に教会を出て、聖金曜日(受難日)にも儀式が行われる。 https://www.youtube.com/watch?v=VqtuvuV-uvE (記事提供/Mega Brasil , 文/カシャッサ麻生) #cachaca #カシャッサ #カシャーサ #四旬節
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