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米国株 - 個別株
米物価鈍化で利上げ観測後退、AIインフラ好決算を背景に日経平均は6万8000円台回復
⸻ ◆米7月消費者物価指数は伸び鈍化、利上げ後退を市場は好感 米労働省が発表した7月の消費者物価指数(CPI)は市場予想と一致して伸びの鈍化を明瞭に示し、米連邦準備理事会(FRB)が次回の会合で利上げを見送るとの観測が一段と強まった。これを受けた12日の米国株式市場では、人工知能(AI)関連インフラ企業の好決算も相まって、幅広い銘柄に買いが波及し主要指数が反発した。この良好な外部環境を引き継いだ13日の東京株式市場でも買いが先行し、日経平均株価は続伸して約1カ月ぶりに6万8000円台という心理的節目を回復した。当面の金融政策運営を巡る不確実性の緩和と、世界的なAI関連投資の実需拡大という二つの好材料が同時にもたらされたことで、日米両国の株式市場において投資家のリスク選好姿勢が鮮明となっている。 ◆FRBの9月据え置き観測が拡大、金融政策の不確実性が後退 米労働省発表の7月CPIの詳細を見ると、総合指数が前年同月比3.4%上昇(前月比0.1%上昇)と市場予想に一致し、6月の3.5%上昇から0.1ポイント鈍化した。価格変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数も前年比2.5%上昇(前月比0.2%上昇)となり、前月の2.6%から縮小している。ガソリン価格の2カ月連続下落が全体を押し下げたほか、基調的な物価の落ち着きがデータで裏付けられた形だ。7月の米雇用統計で雇用者数が予想外に減少したことに続く今回のCPI鈍化を受け、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のフェドウオッチによると、FRBが9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く確率を市場は約62%織り込む水準まで達した。市場では当面の利上げは見送られるとの見方が大勢を占めており、バノックバーン・グローバル・フォレックスのマーク・チャンドラー氏は、ウォーシュFRB議長が経済見通しの公表内容に過度に注目しないよう市場に求めている姿勢を踏まえ、9月は見送りが効果的との分析を示している。 ◆米株式市場は反発、AIインフラ関連企業の好業績が相場牽引 12日の米国株式市場では、AIインフラ関連企業の目覚ましい決算発表が投資家心理を改善させ、S&P総合500種とナスダック総合指数が反発した。データセンター向けにAI計算資源を提供するコアウィーブは、4〜6月期売上高が前年同期比112%増の25億7500万ドルと過去最高を更新し、受注残が同246%増の1042億ドルに達したことで株価が19%急伸した。また、データセンター運営のネビウス・グループも売上高が同454%増の5億8230万ドルを記録し、調整後EBITDAが2億3620万ドルの黒字へ転換したことで株価は34%急騰した。これらの企業業績は、AI向け演算チップから電力供給網や熱交換システムといったデータセンター設備全体へと投資対象の裾野が急激に拡大していることを示している。エヌビディアやマイクロン・テクノロジーなどの半導体銘柄にも買いが波及し、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は約2.5%高で取引を終えた。 ◆東京市場は半導体株中心に続伸、AI投資恩恵でTOPIX最高値 13日の東京株式市場では、前日の米半導体株高や国内主要企業の好決算を好感し、日経平均株価が続伸する展開となった。前場は前営業日比1.61%(1085円86銭)高の6万8609円92銭で取引を終え、序盤には一時6万8799円71銭まで上昇する力強い動きを見せた。アドバンテストや東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど指数寄与度の高い半導体関連株が相場全体を牽引した。また、世界的規模で進行するAI投資の恩恵は、日本の素材・部品メーカーにも確実に波及している。光コネクター用研磨機などを手がける精工技研が2026年3月期の通期決算で、生成AI普及を背景に売上高が前期比50.6%増となり過去最高益を更新したように、データセンター向け部材の需要拡大が実態経済に寄与する事例が相次いで確認されている。東証株価指数(TOPIX)も底堅く推移して連日で史上最高値を更新しており、4〜6月期の決算発表が終盤を迎える中、好業績を発表した銘柄への継続的な資金流入が観測されている。 ◆為替は横ばい圏推移、中東情勢や米国政治日程などリスク要因も ニューヨーク外国為替市場では、米CPI発表直後に利上げ観測の後退から一時的なドル売りが出たものの長続きせず、ドル円相場はおおむね横ばい圏で推移した。終盤の円は対ドルで0.1%安の159円45銭となり、7月下旬に日米当局が実施したとされる協調介入後の円高水準からやや下落している。市場関係者は、日米の金利差というファンダメンタルズに明確な変化がない限り、投機筋による円売り持ち高が再び積み上がる可能性があると指摘している。一方、相場の先行きには中東情勢の緊迫化という深刻なリスク要因が横たわっている。米国とイランを巡る情勢は依然として不透明であり、エネルギー価格の高止まりが電力需要の大きいデータセンターの運営コストを押し上げる懸念が根強い。さらに、2026年は米国で大統領選のない中間選挙の年にあたり、与党が議席を減らす歴史的傾向が指摘される中、政治動向や通商政策の行方がグローバルな供給網に予期せぬ影響を与え得る変数として強く意識されている。 ●AI投資はインフラ実需段階へ移行、マクロ環境との並睨みが継続 日米の株式市場における一連の動向を総括すると、AIコンピューティングを巡る投資が単なる期待先行のフェーズから、巨額の資本投下と長期契約を伴う実需の段階へと本格的に移行したことが確認されたといえる。特に最新世代のGPUが発する熱量と消費電力の課題を解決するため、電力網の確保や水冷等の冷却設備の増強など、物理的な制約を克服するためのインフラ投資が今後の市場における主戦場となる見通しである。こうした産業構造の深部における変化がもたらす企業業績の拡大期待が相場を力強く下支えする一方で、日米中央銀行による金融政策の行方や、中東を震源とする地政学的な不確実性は、依然として市場全体のボラティリティを高めるリスク要因として残存している。市場参加者は当面の間、AIインフラの実需に伴う個別企業の業績の伸びを精査しつつ、金利動向やマクロ経済指標の発表結果に神経を尖らせる慎重な投資判断を求められる展開が続くと予想される。 ⸻ ★note:https://note.com/woven_planet #CPI #FRB #AI #半導体 #為替 #データセンター
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