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◆日経平均の続伸とアジア市場に広がる底堅い推移
17日の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比168円26銭高の6万8882円06銭で寄り付き、続伸して取引を開始した。前週末の米国市場でフィラデルフィア半導体指数(SOX)は小幅安となったものの、寄り付き段階でキオクシアホールディングスやアドバンテストといった半導体・人工知能(AI)関連株が底堅い値動きを見せ、相場全体を下支えした。これまでの相場下落を経て、AIの将来性に対する過度な懐疑論は一服し、主要企業の決算発表が一巡したことでバリュエーション面の過熱感も修正されつつある。一方、旧盆休みが明けたものの市場参加者は限られており、積極的な売買は手控えられている。アジア市場全体を見渡すと、中国株を中心に底堅い推移が目立つ。香港のハンセン指数は1.6%高、台湾の加権指数も0.5%高となるなど、AI関連需要を受けた輸出への期待が相場を支えている。今週の東京市場は、企業の好業績を背景にした強もち合いが予想され、日経平均の週間予想レンジは6万6500円から7万0500円と設定されている。テクニカル面では最高値からの下落幅の3分の2戻しを達成しており、心理的節目の7万円回復を試す可能性も指摘されるが、高値圏での戻り待ちの売り圧力も厚いと分析されている。
◆内需の弱さと特殊要因が混在する4〜6月期GDP速報
内閣府が17日午前に発表した2026年4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.3%増、年率換算で1.1%増となり、3四半期連続のプラス成長を維持した。しかし、市場予測の中央値である年率2.0%増を下回る結果となり、景気の力強さには欠ける内容となった。成長の内訳を見ると、内需の柱である個人消費が前期比0.02%減と8四半期ぶりのマイナスに沈み、設備投資も1.2%減と2四半期連続の落ち込みを記録した。個人消費の減少は、電気代の引き上げや教育費の減少が影響したと分析されている。一方で、自動車税の環境性能割廃止に伴う自動車販売の増加や、省エネ基準引き上げを見越したエアコンの駆け込み需要が下支え要因となった。さらに、中東情勢の混乱による原油調達難を背景とした輸入の大幅減少が、統計上は外需を押し上げ、結果としてGDP全体のプラス成長を演出する要因として働いた。設備投資の減少は研究開発関連の一時的な落ち込みが主因と見られており、キャピタル・エコノミクスは政府消費の増加について、高市氏が掲げる拡張的財政政策の効果が表れ始めていると指摘するなど、評価が分かれている。
◆米指標下振れによるFRB利上げ観測の後退とドル全面安
米国経済の不確実性が金融市場の見通しを大きく変化させている。前週末に発表された7月の米小売売上高は市場予想に反して減少し、9カ月ぶりのマイナスを記録した。この指標の下振れは消費者心理の予想以上の悪化を示唆しており、米連邦準備理事会(FRB)が次回9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切るとの観測は大幅に後退した。金利先物市場の動向を示すフェドウオッチによれば、来月の利上げ確率は1週間前の約50%から30%へと急低下し、政策金利の据え置き確率が約70%まで上昇した。この結果、前週末の米株式市場ではS&P総合500種指数が0.2%下落するなど主要3指数が揃って軟調となったが、高値圏での利益確定売りの範囲内にとどまったとの見方が優勢である。一方、外国為替市場ではドルが主要通貨に対して全面的に下落し、ドル指数は月間の最安値水準まで沈んだ。円相場は対ドルで2営業日連続の上昇となり、一時158円台後半を付けた。ユーロも1.15ドル台後半へと上昇し、英ポンドや豪ドルなどもそれぞれ複数カ月ぶりの高値圏で取引されている。
◆中東の緊張長期化と朝鮮半島情勢がもたらす地政学リスク
地政学的リスクは依然として市場参加者の強い警戒材料である。中東情勢を巡っては、イランが米国に対して敗北を認めるよう要求し、ホルムズ海峡の封鎖継続を改めて表明した。これにより原油の安定供給に対する懸念が継続し、北海ブレント原油は1バレル88ドル台後半、米国産標準油種(WTI)は82ドル前後での推移となっている。資産運用会社のチーフエコノミストは、和平合意が成立しない場合、中東からの原油供給が通常水準を1〜2割程度下回った状態が続き、備蓄の取り崩しに伴う原油高に直面するリスクが残ると指摘している。さらに、レバノン南部でのイスラエル軍による空爆で民間人を含む多数の死者が発生し、地域紛争の拡大懸念が強まっている。一方で、朝鮮半島情勢にも新たな動きが見られた。トランプ米大統領は、韓国がイラン紛争への協力を拒否したことや北朝鮮との関係を理由に、米韓合同軍事演習の大幅縮小を指示したと明らかにした。外国為替市場における韓国ウォンへの即座の影響は限定的であったものの、同盟国間の安全保障協力の在り方に関する不確実性が高まっており、アジア地域全体の地政学的バランスに影響を与える要素として注視されている。
●日米の金融政策格差の縮小と今後の相場を見極める焦点
今後のグローバル金融市場は、日米の金融政策の方向性の違いと、それを裏付けるマクロ経済指標の動向を軸に展開していくと見込まれる。米国では利上げ観測が後退する一方で、日本国内では日銀が利上げペースを加速させるとの観測が浮上している。バンク・オブ・アメリカのアナリストは、日銀が来年7月までに政策金利を2%まで引き上げるとの予測を示しており、日米金利差の縮小を見込んだ円買い圧力が当面継続する可能性が高い。市場の視線は今週後半にかけて発表される米国の8月購買担当者景気指数(PMI)や大手小売企業の決算、そしてFRBの前回会合の議事要旨に集まっている。さらに、来週開催されるジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演は、年内の金融政策の軌道を占う決定的な手掛かりとなる。国内においては、21日発表予定の7月全国消費者物価指数(CPI)が日銀の政策判断を左右する中核的なデータとなる。円高ドル安基調の定着は輸出関連企業の業績見通しに直結するため、投資家は国内外の重要指標と複雑化する地政学リスクの双方を慎重に見極める段階に入っている。
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★note:
https://note.com/woven_planet
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