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日本株 - 個別株分析
米半導体株の急落でAI投資への警戒感拡大、本日の東京市場は反落の見通し
⸻ ◆NVIDIA急落が波及した米国半導体株の調整 27日の米国株式市場では、AI関連銘柄を牽引してきた半導体大手のNVIDIAが前営業日比5%超の下落を記録し、半導体セクター全体の過熱感の修正が進行した。市場関係者によると、NVIDIAが対話型AI開発のオープンAIに対し、データセンター賃借費用として最大2500億ドルの資金保証と、AIチップ購入に向けた3500億ドルの融資枠を提供する方向で協議しているとの観測が売りの発端となった。韓国のSKグループとの5000億ドル規模の提携を含めると、資金規模は総額7500億ドルに達すると試算される。自社製品の買い手に資金を融通して需要を創出する構造に対し、市場では将来の収益の質への疑念が高まった。これに伴い同社の5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)保証コストは一時0.82%へ急上昇し、過去最大の日中上昇幅を記録した。米主要半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体指数も、6月の最高値から21%下落する水準まで調整が進んだ。 ◆資金循環の変化とAppleの時価総額首位浮上 半導体関連株への売り圧力が強まる一方、米国市場では資金循環の変化が観測されている。これまでAI機能の展開に慎重な姿勢を維持してきたAppleが、時価総額でNVIDIAを逆転し首位に浮上した。Appleが巨額のAI設備投資やベンダーファイナンス競争から距離を置き、独自の強固なキャッシュフローを保っていることが、リスク回避を志向する投資家の資金流入を促していると分析される。さらに資金は、AIインフラ提供企業から、AI導入による利益率改善が見込まれるソフトウェア分野や伝統的セクターへと向かい始めている。パランティアやセールスフォースといった企業のほか、運輸、金融、エネルギー、ヘルスケアなど生産性向上の恩恵を受けやすい銘柄が新たな資金の受け皿となっており、バンク・オブ・アメリカやハリバートン、ネクステラ・エナジーなどが具体的な買い対象として浮上している。 ◆まちまちの展開となったNY株式市場と原油安 同日のニューヨーク株式市場はまちまちの展開となった。S&P総合500種株価指数は、ウォルマートやマイクロソフトの上昇が寄与しプラス圏を維持した。今週は主要ハイテク企業が相次いで四半期決算発表を控えており、先週のテスラやアルファベットの決算で判明した巨額のAI関連支出に対する市場の警戒感も重なり、相場の転換点を巡る見方が交錯している。一方、商品市場ではトランプ米大統領がイランと「友好的な協議」を行っており和平合意の可能性があると言及したことを受け、中東情勢の緊迫化に伴う原油の供給不安が和らぎ、米WTI原油先物は1バレル81ドル台に下落した。この原油安を背景に主要消費財セクターが相場を牽引したものの、エネルギー関連株には売りが先行した。29日に結果発表を控える米連邦公開市場委員会(FOMC)については、金利先物市場で政策金利据え置きの確率が62%、0.25%ポイントの利上げ確率が38%と織り込まれている。 ◆東京株式市場における半導体株の調整と資金シフト 28日の東京株式市場は、前日の米半導体株安の流れを引き継ぎ、日経平均株価は反落して始まる見通しである。市場の予想レンジは6万3000円から6万4200円とされ、心理的節目である6万4000円を割り込む展開も想定されている。国内市場でもAI・半導体関連株の調整は鮮明となっており、半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスが一時ストップ安まで売り込まれ、6月の上場来高値から大幅に水準を切り下げた。日経平均株価を東証株価指数(TOPIX)で割ったNT倍率も一時18倍近辺から15倍台へと低下しており、値がさの半導体関連銘柄主導の相場が明確な調整局面に入ったことを示唆している。ボラティリティ上昇で損切りなどを迫られた個人投資家の資金は、全日空ホールディングスやサイゼリヤといった小売・サービス関連銘柄のほか、造船や重工業など実体経済に根差したキャッシュフローの透明性が高い企業へと回帰する傾向が観測されている。 ◆中国半導体企業の台頭とグローバル市場への影響 半導体セクターの株価を下押しする新たな要因として、中国企業の動向も市場の関心を集めている。27日に中国の半導体メモリー最大手CXMTが上海証券取引所に新規上場を果たし、時価総額で中国市場の首位に躍り出た。市場関係者は、中国国内の投資資金がCXMTへ集中し、他の半導体関連銘柄に対する需給の重しになると分析している。さらに、中国企業が独自開発した液浸型深紫外線(DUV)露光装置の製造を開始したとの報道も伝わり、同分野で圧倒的なシェアを維持してきたオランダのASMLの株価が前日に8%超急落する事態となった。東洋証券のストラテジストは、CXMTの上場や中国製DUV露光装置の稼働報道を受け、半導体セクターを中心に先行きへの警戒感が広がっていると指摘する。国際的な技術競争の激化も、AI・半導体相場の過熱感やバブル崩壊への懸念をくすぶらせる要因として意識されており、日経平均は不安定な値動きが続くとの見方が示されている。 ●AIインフラ投資の選別局面入りとマクロ環境への注視 現在の株式市場は、AI技術に対する過剰な期待が先行した熱狂期を過ぎ、投資対効果とキャッシュフローの厳格な検証が求められる選別局面へと移行しつつある。NVIDIAをはじめとするAIインフラ提供企業の株価急落は、ベンダーファイナンスへの依存や巨額投資の回収時期に対する市場の現実的な懸念を如実に反映したものだ。投資資金がインフラ提供者から事業基盤の裏付けを持つAI活用企業へとシフトする動きは、株式相場全体の健全な調整と資金循環の過程として捉えられる。一方、足元の円相場は1ドル163円台後半で推移しており、来週に迫る日本銀行の金融政策決定会合や29日の米国FOMCの結果次第では、為替市場を含むマクロ環境全体のボラティリティが再び高まるリスクが残る。市場参加者はハイテク企業の決算や中東情勢を引き続き注視しつつ、各銘柄の収益基盤と適正なバリュエーションを冷徹に見極める投資姿勢を一段と強めるものと予想される。 ⸻ ★note:https://note.com/woven_planet #AI #半導体 #株式市場 #為替 #原油 #金融政策
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