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米国株 - 個別株
東京市場はAI半導体株安で反落、米ダウ最高値も為替介入効果に懐疑論
⸻ ◆日米株式市場の動向と半導体関連株の軟調 6日午前の東京株式市場において、日経平均株価は前営業日比1033円77銭(1.56%)安の6万5266円67銭と反落して前場の取引を終えた。前日5日の東京市場では、欧米株の最高値更新や原油安を背景に2342円91銭(3.66%)高と急伸していたが、一転して売りが優勢となった。相場下落の主な要因は、前日の米国市場でフィラデルフィア半導体指数(SOX)が下落した流れを受け、指数寄与度の高い人工知能(AI)および半導体関連銘柄に売りが波及したことである。ただし、半導体関連を除いた銘柄群では値上がり数が多く、インフレ圧力の緩和を反映して好業績のバリュー株が堅調な値動きを示したことから、相場全体への下押し圧力は限定的との指摘も市場関係者から出ている。一方、5日の米ニューヨーク株式市場では、ナスダック総合指数が5営業日ぶりに反落した。宇宙開発企業スペースXや半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の下落が同指数の重しとなった。 ◆米ダウ最高値更新と中東情勢緩和の兆し ハイテク株比率の高いナスダックが軟調に推移する一方で、米ダウ工業株30種平均は4営業日連続で終値ベースの過去最高値を更新した。前日4日にもS&P総合500種株価指数が初めて7700の節目を上回るなど、米国市場の一部では強いリスク選好の動きが継続している。この株高を支えている背景には、中東の地政学リスクの後退がある。イランとオマーンの間でホルムズ海峡の通航再開に向けた合意案が浮上しており、海峡を通じてペルシャ湾に入る船舶の管理権をイランに付与する方向で調整が進んでいると報じられている。トランプ米大統領も早期合意の可能性に言及しており、地政学的な緊張緩和への期待から原油価格が下落基調にあることが、世界の株式市場におけるインフレ懸念を和らげる追い風となっている。加えて、アムジェンやイーライリリーなどヘルスケア関連企業の好決算も、ダウ平均やS&P500種指数の上昇を牽引する要因となった。 ◆AI・半導体関連企業の決算と市場の選別姿勢 AI・半導体セクターにおいては、巨額の先行投資に対する収益化への懸念が株価の重しとなっている。イーロン・マスク氏率いるスペースXが発表した上場後初の四半期決算では、衛星通信事業等の成長により売上高が前年同期比で倍増したものの、データセンターなどAI関連投資への支出継続性に対する懸念から株価は13.6%急落した。さらに6日からは同社株のロックアップ解除が始まるため、需給悪化が警戒されている。AMDについても、第3四半期の売上高見通しが市場予想を上回ったものの、多額のAI支出が成長加速に直結する証拠を求める市場の厳しい目線に晒され、株価は7%下落した。また、マイクロソフトの年次報告書により、同社のOpenAI関連売上高が約241億ドルに達したことが判明し、クラウド能力等を提供して売上を回収する「循環投資」の構図に市場の関心が集まっている。一方で、エヌビディアは取引先の台湾・鴻海精密工業の大幅増収を材料に続伸し、日本のイビデンも実需を伴う好決算が評価され急騰するなど、企業ごとの明暗が分かれる展開となっている。 ◆円買い介入から1週間と日米金融政策の展望 外国為替市場では、ドル円相場が157円台で比較的落ち着いた推移を見せている。日米両政府が7月31日に実施した約40年ぶりの協調円買い介入から1週間が経過したが、市場ではその長期的効果に対して懐疑的な見方も浮上している。CIBCキャピタル・マーケッツのジェレミー・ストレッチ氏は、日銀の積極的な利上げ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測後退、原油安のいずれかの条件が揃わない限り、今回の介入は単なる応急処置に過ぎないと指摘する。こうした中、ベセント米財務長官は日本の通貨安定を支援する姿勢を明確にし、他国による競争的な通貨切り下げを牽制するとともに、日銀の適切な政策運営への期待を表明した。FRBの金融政策については、カシュカリ・ミネアポリス地区連銀総裁がインフレ抑制のための段階的な小幅利上げの必要性に言及しており、7日に発表される米国の7月雇用統計が、今後の為替動向や金融政策見通しを左右する重要な試金石として市場の耳目を集めている。 ◆金利・商品市場の動向と米中産業政策の波紋 金融・商品市場に目を向けると、米国の債券市場では2年債利回りが4.18%前後、10年債利回りが4.62%前後で推移している。ニューヨーク金先物価格は1オンス=4322ドル台と歴史的な高値圏にあり、ビットコインも6万4800ドル台で堅調に推移するなど、金利先高観や地政学リスクを背景とした資産分散の動きが顕著である。また、各国の通商・産業政策も市場の新たな焦点となっている。米国ではトランプ政権が、中国からの安値輸出による国内産業保護を目的として、太陽光パネルやポリシリコン関連製品に対して15%の追加関税および最低輸入価格の導入を月内にも発表する見通しである。対照的に中国市場では、半導体メモリー大手の長鑫存儲技術(CXMT)の親会社が上海科創板に新規上場して初日から急騰するなど、国家的な支援を背景に半導体セクターが株式市場における存在感を急速に高めており、米中間の産業覇権を巡る対立の構図が浮き彫りとなっている。 ●AI投資の収益性検証と金融政策が左右する今後の市場展望 現在の金融市場は、AI技術の爆発的な普及に伴う成長期待と、巨額の設備投資に対する収益化の確度を冷徹に見極めようとする市場の警戒感が交錯する転換点にある。スペースXやAMDの決算に見られる株価の反応は、投資家が単なるトップラインの成長のみならず、投資対効果や循環的な売上構造の持続可能性に対して厳格な評価を下し始めていることを示唆している。一方で、中東の地政学リスクの後退見通しとそれに伴う原油価格の軟化は、世界的なインフレ圧力の緩和を通じてマクロ経済環境に一定の安堵感をもたらしている。しかしながら、日米の協調為替介入の実効性が根本的なファンダメンタルズの変化を伴わなければ長続きしないとの指摘にあるように、相場の中長期的な方向性は日米中央銀行の今後の政策スタンスに大きく依存している。市場参加者は、目先の個別企業の決算動向と並行して、米雇用統計をはじめとするマクロ経済指標の推移を注視し、次の金融政策の軌道を見定めるための慎重な姿勢を強めていくと予測される。 ⸻ ★note:https://note.com/woven_planet #株式 #半導体 #為替 #介入 #決算 #金利
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