高配当株|銘柄分析【朝日ネット:3834】|安定収益と堅実経営が光るディフェンシブ高配当株
はじめに、高配当株投資について
ここで言う高配当株投資では""投資元本を維持しつつ安定したキャッシュフローを得る""ことを目的としています
そのためには
①業績が安定している
→景気に左右されずらい
②配当金が減らないor増配していく
→財務が固い、配当性向に余裕がある
③セクターが分散されている
→1セクター20%未満程度
④1企業の配当金額が多すぎない
→配当総額に対して3%未満程度
⑤不正を起こしたことがない
→企業体質になりがち、信用低下の原因
この辺りを精査して長期保有を基本にバランスよくポートフォリオを構築していく必要があります。
このシリーズでは、有名な大企業からちょっとニッチな中小企業まで、自己流ではございますが高配当株投資で年間60万円の配当金を受け取る私が、銘柄分析をしてご紹介させていただきます。
分析には企業HP投資家情報、IRBANK、みんかぶ、株予報を利用、引用しています。
銘柄分析|朝日ネット
証券コード:3834
東京証券取引所プライム市場
① セクター・特性(ディフェンシブ or 景気敏感)
朝日ネット(3834)は、東証スタンダード市場に上場しているインターネット接続サービス事業者です。事業内容はインターネット接続(ISP)およびクラウド型ネットワークサービスに特化しており、安定した会員基盤と定額課金モデルによって、景気に左右されにくい「ディフェンシブ銘柄」といえます。
特にISP事業は生活インフラの一部となっており、景気後退期でも解約が一気に進むことは少なく、ストックビジネスとして安定した売上・利益を確保しています。
② 投資指標(2025年7月時点)
* PER:14.6倍
* PBR:1.4倍
* ROE:9.6%
【参考】
* 市場平均(東証プライム全体):PER約15~17倍、PBR約1.3倍、ROE約8~10%
* 同業他社(GMOインターネット、NTTぷらら等):PER15~20倍、ROE 7~12%前後
朝日ネットは、株価指標的には「やや割安」圏にあり、ROEも同業他社や市場平均と比較して良好です。堅実経営を反映したバリュエーションといえます。
③ 会社概要・事業内容
朝日ネットは、1990年に朝日新聞社の関連会社として設立され、個人向けのISP(インターネット・サービス・プロバイダ)を主軸に成長してきました。
主なサービスは以下の通りです:
* Asahi Net(ISP事業):全国対応の個人・法人向け光回線サービス(フレッツ・光コラボ)
* Asahi Net LTE:モバイル通信(MVNO)サービス
* manaba(教育機関向けクラウドサービス):大学などへのeラーニング環境の提供
売上構成(2024年3月期)
* ISP事業:約87%
* 教育機関向けクラウドサービス:約13%
ISP事業に売上の大部分が集中しているものの、「manaba」の拡大によって法人向けの収益も増加傾向です。ISPの分野では格安系ではなく「品質重視」「サポート対応」で差別化しており、価格競争に巻き込まれにくい点も強みです。
④ 売上の推移(長期的な成長性・安定性)
IRバンクによる過去10年以上のデータを見ると、売上は緩やかに右肩上がりで成長しており、以下のような推移です。
* 2010年3月期:約67億円
* 2025年3月期:約130億円
年平均成長率(CAGR)は約2.4%と小さいですが、継続して着実に成長しています。ISP市場自体が成熟している中でも、解約率の低さや「manaba」の導入拡大が、安定成長を支えています。
⑤ 利益・指標(経常利益、ROE、EPS、キャッシュフロー)
* 経常利益:長期的に10~20億円台で推移し、ほぼ毎年黒字、上場傾向
* ROE:概ね9~10%以上の範囲で安定
* EPS(1株利益):2025年3月期は64.95円(長期で右肩上がり)
* 営業キャッシュフロー:一貫してプラス。フリーキャッシュフローも毎年黒字
利益のブレが少なく、安定配当の原資となるキャッシュフローもしっかりしています。特に営業キャッシュフローが常に黒字である点は、財務の健全性と配当の持続性を裏付けます。
⑥ 財務の健全性
* 現金・預金:約140億円(時価総額の半分以上に相当)
* 自己資本比率:80%台後半(堅い)
* 有利子負債:ゼロ
財務は非常に健全です。無借金経営で現金が潤沢にあり、配当や自社株買いなど株主還元に積極的な余力があります。財務リスクが極めて小さいのが特徴です。
⑦ 配当の推移・方針
* 増配年数:17期連続減配なし(2025年3月期まで)
* リーマンショック時:減配なし(当時はまだ配当初期)
* 配当性向:約50%前後(安定水準)
* 自社株買い:2024年、2025年に実施実績あり
* 配当方針:「安定的かつ継続的な配当の実施」を明記
高配当かつ連続増配を実現している数少ない中小型銘柄です。特に無借金経営と高キャッシュフローを背景に、今後も安定配当が期待できます。
⑧ 投資判断・リスク
**総合評価としては「堅実なディフェンシブ高配当株」**です。利益や財務のブレが少なく、増配・配当継続の信頼度が高いのが強みです。
一方で、以下のようなリスクも考慮が必要です。
* ISP市場の成長鈍化(すでに成熟産業)
* モバイル事業の価格競争激化
* 教育機関向け事業の政策依存性(補助金制度など)
不祥事歴や会計トラブルといった大きな問題は過去に見当たりません。
⑨ 私の保有状況
2025年時点で、私は朝日ネットを100株保有しています。安定配当と堅実経営に魅力を感じています。
⑩ 買い時について
高配当株投資の視点から見ると、朝日ネットの利回り3.5~4.0%台が一つの買い水準の目安になります。過去の配当推移を踏まえると、配当利回り4%となる株価625円付近が比較的割安な水準と判断しています。
【総評】堅実な財務と長期的な増配が魅力の「安定高配当株」
朝日ネット(3834)は、以下のような特徴を持つ魅力的なディフェンシブ銘柄です:
* 12期連続増配
* 無借金・高自己資本比率
* 安定したISP収益と教育機関向けサービスの拡大
* 市場平均よりやや割安なバリュエーション
急成長や株価の爆発的な上昇は期待しにくいですが、「資産形成の土台」として、安心して長期保有できる良質な高配当株の一つだと考えています。
最後まで読んで頂きありがとうございます😊
皆さんの資産運用の参考になれば幸いです
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※本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではございません
※株式投資は元本割れのリスクがございます。投資判断はご自身のリクス許容度の範囲で、自己責任でお願いします
#高配当株投資
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