【現役医師】【コラム】
医師の働き方、当直と時間外労働について。
1.当直明けの医師は休めるのか?
2.医師の労働時間の実際
3.労働時間に規制や基準はあるのか
4.結局、どうしたら良いのか
興味がありましたら、ぜひご覧ください^^
<当直明けの医師は休めるのか?>
よく聞かれるのが、お医者さんの
#当直 ってなんですか?えっ、泊りで業務?じゃあ翌日は休みなんですか?というご質問です。あるいは単純に、いつ休んでいるんですか??というご質問ですね。
僕はクリニックを家族経営する
#開業医 なので、非常勤で当直をしても翌日は自分の医院で診療をしています。答えるならば「休みたいときに休んでいます」ということですね笑
非常勤先の病院では研修医、専攻医の先生は当直の翌日は昼までで帰宅してよいと決まっています。医師の過重労働を防ごうという動きはこの10年で随分進みましたが、一方で当直明けも休みにならない先生は未だにかなり多いと思います。
<医師の労働時間の実際>
僕が大病院で常勤をしていた時はだいぶ前の話ですが、そもそもタイムスタンプが無かったです(今は改善されていると思いますが)。残業代は頂いたことがありませんでした。申請すれば頂けたのかもしれませんが、申請の仕方は教わっていません笑
一番仕事をしていた時は、土日も必ず回診か医局からの派遣でバイト勤務をしていたので、年間でまったく仕事をしないという日は数日だけだったと思います。日曜日に入院患者さんを回診しているうちに、救急車が来るという話を聞いて、処置の準備や介助を手伝って入院後指示までしているうちに夜になる・・・とか。今考えると、若かったなと思います。
僕は仕事が楽しくてやっていたので、不幸話ではありませんよ!笑
ただ、楽しいと感じていてもストレス食いで太ったり、夜中に吐き気で目が覚めるという時期もありました。
どれだけ働くかは状況により、医師個人の裁量によるところが大きいわけです。
<労働時間に規制や基準はあるのか>
医師の業務は休憩時間なども定めにくく、時間内と時間外の定義も難しいです。医師の仕事が代替が難しいという問題もあり、標ぼうする科や世代による働き方へのスタンスの違いもあります。やたら忙しい人と、そうで無い人の差が大きく、給料は違わない(バイトを多くできる分、暇な方が稼げる場合もある)となると、やりがい搾取でしょうか。
この辺は、実際には施設基準に任されている場合が多いですが、数字としては厚労省からも最近になって勤務医の時間外労働の制限(年間1860時間、月間100時間まで)も提言されました。
普通じゃない数字ですよね笑 当直業務とは別に1日5時間まで残業してよいと言われても、それって労働の制限になるのか・・・しかし、この流れで、「当直明けは早く帰ろう」という話はしやすくなりました。
<結局、どうしたら良いのか>
最近、勉強になりそうな症例だからと若い先生に入院を任せようと打診したところ、当直明けなのでという理由で断られた事がありました。別にサボっているのではなくて、職場の基準で午後は勤務しなくて良いのだから問題ないわけです。
しかし、それを聞いたベテラン看護師さんが「この先生、学ぶ意欲があるんですかね?」という趣旨のことをおっしゃっていて、僕は複雑な気分になりました。
確かに、ベテラン看護師さんの言うことも分かります。僕としても若い先生には成長してほしい、もっとがっついてほしい。
しかし、システムとして、個人の裁量に任され過ぎる、個人の体力に依存しすぎるのは健全とは言えませんよね。休ませるシステムが無いと、体力的に厳しい科や病院に人が集まらず、めぐりめぐって最後に損をするのは患者さんになってしまいます。
アメリカなどは完全にシフト制で、日本のように主治医制ではない場合が多いらしく、医師の業務が厳しいことは同じですが労務時間はかなり明確に決められているようです。それだと医師の過重労働はある程度防ぎやすくなりますが、やはりずっと同じ先生に見てほしいと思う患者さんの声も当然ありますので、これもどちらが絶対に良いという話でもありませんね。
僕の意見は、何が一番良いというのはまだありません。
学べて、休みも給料も保証されて、というのは理想論で実現が難しい。
だけど自分がどういう仕事をしたいか明確な先生は、自己実現できていて楽しそうに仕事をしています。人生観と一緒ですね。
それを妨げないような社会的なシステムがあれば、それが一番良いですね。
本日は取り留めもない話になりましたが、医師の働き方、考え方を知っていただければ幸いです。
ご一読いただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございました^^
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