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先日、日経新聞に「海外居住者の国内不動産、賃貸事業に課税」という見出しが出ていました。
総務省が、海外に住んでいる人が日本で不動産を貸している場合にも、個人事業税をかける方向で検討に入った、という内容です。
マレーシアに移住して12年になる僕にとっては、他人事ではないニュースです。
ただ、先に結論を言うと、僕自身は対象にならないと考えています。
それはなぜなのか、そして今回の改正の狙いはどこにあるのか、そこを整理してみます。
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まだ「検討」の段階です
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最初に大事なことをお伝えしておくと、これは決まった話ではありません。
報道によれば、総務省は2027年度の税制改正大綱に盛り込むことをめざしていて、その大綱が決まるのは例年通りであれば12月です。
ここで入らなければ、話はそこで止まります。
個人事業税は、個人が事業で得た所得にかかる都道府県の税金で、不動産賃貸業の場合は「(不動産所得-事業主控除290万円)×5%」で計算します。
ただし、誰にでもかかるわけではありません。
例えば東京都の場合、アパートなら10室以上、一戸建てなら10棟以上、青空駐車場なら10台以上といった規模の基準があります。
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国税はかかるのに、地方税はかからなかった
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では、なぜ海外に住んでいる大家さんは、これまで個人事業税の対象外だったのか。
実は、所得税は住んでいる場所に関係なくかかります。
海外に住んでいても、日本にある賃貸物件から入る家賃は、日本で課税されるんですね。
一方、個人事業税は、事務所や事業所のある場所を基準に都道府県が課税する仕組みです。
日本国内に事務所も住所もない海外居住者には、課税のとっかかりがなかったわけです。
つまり、同じ賃貸物件を持っていても、日本に住んでいる大家さんには個人事業税がかかり、海外に住んでいる大家さんにはかからない。
この差を埋めようというのが、今回の検討の表向きの狙いです。
ただ、僕は狙いはそれだけではないと見ています。
というのも、ここ数年、外国人による日本の不動産購入が都心のマンション価格を押し上げている、という声が強まってきました。
それに合わせて、外国人の不動産投資をもっと厳しく見ようという流れも出てきています。
今回の課税は、その外国人投資の厳格化と、物件価格の高騰に対応するための一手だと僕は思っています。
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金額は大きくないが、どうやって課税するか検討が必要
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気になる金額を計算してみましょう。
例えば、アパート10室で不動産所得が500万円だとすると、(500万円-290万円)×5%で、年10万5,000円です。
所得が1,000万円なら、年35万5,000円。
額だけを見れば、驚くほどではないと思います。
ただ、これまで払っていなかったものを払うことになるわけです。
申告や納付をどうするのか(納税管理人が代わりに行なうのか、課税するのは物件のある都道府県なのか)といった実務は、まだ決まっていません。
報道ベースの目安では、仮に2027年の所得から対象になれば、最初の納付は2028年8月ごろになるとされています。
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僕は関係ありません
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さて、僕自身の話です。
僕はマレーシアに住んでいますから、個人としては日本の非居住者です。
ですが、日本の不動産は、日本の法人を通じて持っています。
個人事業税は、その名のとおり「個人」にかかる税金です。
法人が持っている物件は対象になりません(法人には、法人事業税という別の仕組みがあります)。
つまり、今回の分かれ目は、住んでいる場所というより、個人名義で持っているか、日本の法人で持っているかなのです。
もちろん、「だから法人にしたほうが得だ」という単純な話ではありません。
法人には法人の税金や決算の手間がかかります。
個人から法人に移すかどうかは、税金全体を見て決める話なので、顧問の税理士さんと相談してください。
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外国人の大家は、実質的に法人で持っている
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ここで、ひとつ気になることがあります。
日本の不動産を持っている外国人のうち、海外に住んだまま個人名義で持っている人は、実はそれほど多くありません。
実質的には、法人を通じて所有しているケースが多いんですね。
先ほどお話ししたとおり、個人事業税は個人にかかる税金ですから、法人で持っている外国人には、このままでは届きません。
つまり、外国人投資の厳格化が狙いだとすると、個人事業税を見直すだけでは、肝心の相手を取りこぼしてしまうわけです。
では、法人で持っている外国人はどうするのか。
このあたりは、いま並行して議論されている短期売買へのさらなる課税で対応することになるのかな、と僕は思っています。
12月の大綱でどう落ち着くのか、注目しておきたいところです。
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