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僕がマレーシアに移住した2014年当時、ガソリンは1L=2リンギくらいでした。
それが今は4リンギ。2倍です。
しかも為替は当時1リンギ=25円前後だったのが、いまは40円近くになっています。
円で考えると、日本で給油するのとコストはほとんど変わらなくなってしまいました。
食べ物も同じで、移住した当時は200~300円くらいで食べられたローカルフードが、今や600円くらいの感覚です。
ただ、コンドミニアムの家賃は供給過剰もあって、10年前とさほど変わっていません。
物価が上がっても、供給が余っていれば家賃は上がらない。
これは大家として覚えておきたいところです。
そんななか、10月30日の金融政策決定会合で、日銀は物価の基調が2%の目標と「おおむね整合的な水準」に達したと判断しました。
事実上の「2%到達宣言」です。
利上げに積極的なタカ派の高田委員は、基調物価が2%目標に達したことを踏まえ、利上げペースを速める新たな局面に入ったとして、政策金利の1.5%への利上げを提案しましたが、反対多数で否決されました。
2013年に2%の目標を掲げてから14年近く。ようやくここまで来たわけです。
このニュース、日本にいると「ついに来たか」という感じですが、マレーシアに住んでいる僕から見ると、ちょっと違う景色が見えます。
今日はその話をします。
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気がつけば、日本の物価上昇率はマレーシアを上回っていました
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まずは数字を並べてみましょう。
いずれも2026年9月の消費者物価指数の前年同月比です。
・日本(生鮮食品を除く総合):+2.1%。
・マレーシア(総合):+1.8%。
わかりますね。
物価が安いはずの東南アジアより、日本のほうが物価の上がり方が大きいのです。
僕がマレーシアに通いはじめた2011年ごろは、日本はデフレのど真ん中で、「物価が上がらない国」の代表選手でした。
それがいまや、物価の上昇率だけで見ればマレーシアを追い越してしまった。
今日の日銀の「2%到達」は、まさにこの状態を公式に認めたということです。
これ、他人事ではないんですよ。
物価が2%上がるということは、同じ1万円で買えるものが減っていくということです。
これが10年続けば、いまの1万円の価値は8,200円くらいになる計算です。
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それでも円が弱いままなのは、金利の差です
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では、物価が上がっているのに、なぜ円は弱いままなのか。
■①金利が物価に追いついていない
一つ目の理由は、金利が物価に追いついていないからです。
ここが一番わかりやすいところなので、両国の数字を並べてみます。
・マレーシア:政策金利2.75%、物価上昇率1.8%。
・日本:政策金利1.25%、物価上昇率2.1%。
マレーシアは、金利のほうが物価より高い。
つまり、お金を置いておけば、物価の上昇にだいたい勝てるということです。
一方、日本は物価のほうが金利より高い。
お金を置いておくだけで、毎年少しずつ目減りしていくということです。
世界のお金は、目減りする国から、目減りしない国へ流れていきます。
円が売られやすいのは、ある意味で当然なわけです。
10月30日時点でもドル円は157円台半ば。
9月には利上げ観測で一時152円台まで戻しましたが、すっかり押し戻されています。
■②日銀はこの差を一気には埋められない
二つ目の理由は、日銀がこの差を一気には埋められないからです。
日銀は9月に1.25%へ利上げしたばかりで、今回は据え置きました。
一方で、日銀自身が来年度(2027年度)も物価は2.6%上がると見込んでいて、見通しどおりなら利上げを続けると明言しています。
市場では、次は12月、そこから2.0%前後まで段階的に上げていくと見られています。
ただ、物価が2%で走っているところに、金利が2%に届くまでには、まだ時間がかかる。
その間は「物価>金利」の状態が続くと僕は見ています。
以前のブログでも書きましたが、根本的な経済構造が変わらない限り、以前のような円高には戻らない、という僕の考えは今も変わっていません。
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円だけで持っている人ほど、静かに損をしています
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ここで僕自身の話をすると、リーマンショックのあとの2011年ごろは、僕の資産は100%円建てでした。
その後、1ドル70円台、80円台の円高のときに、コツコツと外貨に替えて、海外の不動産を買ったり、外貨建ての投資を始めたりしてきました。
いまは外貨で家賃収入があるので、円安になっても、海外で使うお金はその外貨でまかなえます。
だから、円安だからといって海外に出るのを控えることはありません。
もちろん、みんなが海外に移住したり、外貨を持ったりする必要はありません。
このようなお話をすると「結局お金持ちの話でしょう」と言われますが、そうではありません。
大事なのは、自分の資産のうち、物価と一緒に増えないものが何割あるかを知っておくことです。
現金や預金は、物価が上がっても額面そのまま。
一方、不動産は、物価が上がれば家賃も建物の値段も、遅れながらでもついてきます。
先日のブログで書いたとおり、家賃は景気に比べて遅効性がありますが、遅れている分は伸びしろでもあるわけです。
ただし、金利の話は忘れないでください。
何度もお話ししていますが、1億円借りていて金利が1%上がれば、利息は単純計算で年約100万円増えます。
「2%到達」は、日銀がこれから先も利上げを続ける理由ができた、ということでもあります。
変動金利のまま、繰り上げ返済できる体力を持っておく。
そして家賃を上げる努力をする。
不動産投資はこの両輪で考えておくことがとても重要です。
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「2%」はゴールではなく、スタートの合図です
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日銀にとって「2%到達」は14年近くかけてたどり着いたゴールかもしれません。
でも、僕らにとっては「お金を置いておくと減る国」になったという、スタートの合図なんですね。
マレーシアから見ていると、日本の人たちはまだ「物価が上がるのは一時的なもの」と感じているように見えます。
でも、物価が上がる国で暮らすというのは、こういうことなんです。
まずは、自分の資産のうち、現金・預金が何割を占めているか、一度計算してみてください。
その数字が、これから物価に削られていく部分です。
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