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ここ数日、「売却に52%課税!?」という見出しを目にするようになりました。
きっかけは、自民党の住宅土地・都市政策調査会です。
2026年10月21日、千代田区の区長や大学の先生、不動産協会に意見を聞いて、マンション価格を抑えるための議論を本格的に始めました。
そして与党の中では、5年以下で売ったときの税率を、今の約40%から大幅に引き上げる案が浮上していると報じられています。
「えっ、売ったら半分以上持っていかれるの?」と不安になった大家さんもいると思います。
結論から言うと、まだ何も決まっていません。
そして「52%」というのは、普通の大家さんがアパートを売ったときの税率ではありません。
ただ、短期で売ったときの税金が今より重くなる可能性は、頭に入れておいた方がいいと僕は見ています。
そこで今日は、この話を「今の税金」「52%の正体」「議論されていること」の順に整理してみます。
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今でも、5年以内に売ると税金は約2倍です
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実は、個人が不動産を売ったときの税金は、今でも持っていた期間で大きく変わります。
売った年の1月1日の時点で5年以下なら「短期」で、税率は所得税・住民税などを合わせて39.63%。
5年を超えていれば「長期」で20.315%です。
例えば、売ったときの利益(売った値段から、買った値段や仲介手数料などを引いた残り)が1,000万円だったとします。
短期なら税金は約396万円、長期なら約203万円。
同じ1,000万円の儲けでも、手元に残るお金が約193万円も違うわけです。
余談ですが、「5年」は売った日ではなく、売った年の1月1日で数えます。
例えば2021年の夏に買った物件は、2026年の夏に売っても、1月1日の時点ではまだ5年経っていないので短期になります。
これを勘違いしている方が結構多いんですね。
話が逸れましたが、短期で売る人には、もう十分重い税金がかかっています。
今回の議論は、そこにさらに上乗せするかどうか、という話なのです。
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「52%」の正体は、28年間眠っている制度
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では、52%という数字はどこから来たのか。
実は日本には、「土地譲渡益重課制度」という仕組みがあります。
名前は難しいですが、要は土地を転がして儲けた人に、特別に重い税金をかける制度です。
地価が急騰した1973年にできたもので、1998年から適用が止まっています。
今の法律では、2029年3月31日まで止めておくことになっています。
この制度では、個人が5年以下で持っていた土地を、商売として売った儲けに、所得税と住民税を合わせて52%(または通常の計算の1.1倍の、どちらか多い方)で税金をかける仕組みになっています。
今は止まっているだけで、法律には残っているんですね。
法人の場合は、普通の法人税に加えて、土地の売却益に短期10%・長期5%を上乗せする形です。
ですから、サラリーマン大家さんが自分のアパートを売ったときの税金が、いきなり52%になるという話ではありません。
見出しの数字だけが一人歩きしている印象です。
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本当に議論されているのは「約40%を上げる」案
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ただ、だから安心、とも言い切れません。
先ほどの報道にあるとおり、与党内で浮上しているのは、個人の短期の税率そのもの(今の約40%)を大幅に引き上げる案です。
これが通れば、商売かどうかに関係なく、5年以内に売る人みんなに効いてきます。
何%に上げるのか、何年以内を短期とするのかは、まだ出てきていません。
千代田区も2025年7月から、再開発などで建つ新築マンションについて、引き渡しから原則5年間は転売しないという特約をつけるよう、不動産協会に求めています。
与党としても、税金と規制の両面から手を打とうとしている、ということですね。
僕自身は、実際に住む人が買えなくなるほど、転売目的で値段がつり上がるのは好ましくないと思っています。
以前のブログでも書きましたが、規制すべきは国籍ではなく投機です。
その意味で、「誰が買うか」ではなく「どう売買するか」に税金で手を入れるという方向は、筋が通っていると思います。
もちろん、会合では「すでに買った人に大きな影響が出ないよう、バランスを取るべきだ」という慎重な意見も出ています。
中身はこれから詰める段階です。
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困るのは、転売ヤーより普通の家族かもしれない
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一方で、気になる点もあります。
5年以内に家を売るのは、転売ヤーだけではありません。
転勤、子どもの進学、親の介護、離婚——普通の家族にも、予定外の住み替えはあるわけです。
マイホームの場合は、売った利益から3,000万円を差し引ける特別控除があるので、多くの方は税金がかかりません。
ただ、都心で大きく値上がりした物件ならその枠を超えることもありますし、何より新しい制度でマイホームや転勤をどう扱うのか、まだ決まっていない。
ここが不安の正体だと思います。
それともうひとつ。
税金が重くなると、「あと少し待てば5年を超えるから、それまでは売らない」という人が出てきます。
売り物が市場に出てこなくなれば、値段は下がりにくくなりますよね。
転売を抑えるつもりが、かえって売り物を減らして値段を支えてしまう。
この逆効果が起きないか、僕は注意して見ています。
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大家が今から見ておくべき3つのこと
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では、僕ら大家はどうすればいいのか。
■①5年以内に売る可能性のある物件を洗い出す
まずは、5年以内に売る可能性のある物件を洗い出しておくことです。
買った時期を確認して、「売った年の1月1日」で数えて何年目になるのか。
そのうえで、今の税制で売ったら手元にいくら残るのかを一度計算しておくと、新しい制度が出てきたときにすぐ比べられます。
■②業者に売るという出口が細るかもしれない
10月1日のブログで書いたように、相場より安い物件は、不動産会社が自分で買い取って直して売る「買取再販」に回ることが多いんですね。
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