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個人投資家 医療専門職
【危険を孕むオンライン診療によるやせ薬処方】  近年、糖尿病治療は目覚ましい発展を遂げ続々と新薬が登場した。エネルギー源の糖が上手く利用できず、過剰となった血液中の糖(血糖)が、血管を傷つけ諸臓器に機能障害をきたすのが糖尿病である。健康体では血糖を上げ下げする複数のホルモンが絶妙のバランスをとり血糖を一定に保っている。血糖を下げるホルモンがインシュリンである。  かつてインシュリンを瓶から必要量を吸って注射していた時代には、使用量を間違え低血糖で意識を失ったり、脳機能障害を残す例もあった。そのため、インシュリンは劇薬に指定され、ペンタイプのカートリッジ式となり自己注射を比較的安全に実施できるように改良が重ねられた。  近年、インシュリンを作る膵臓に働きかけてその分泌を増やすGLP-1受容体作動薬が登場した。これは血糖を下げるだけではなく、胃腸の動きを抑え脳の満腹中枢にも作用して体重減少効果もあることが明らかとなった。 先日、友人の糖尿病科の医師から、若い女性が痩せたいとの願望からオンライン診療でこの薬の処方を受け、低血糖などの副作用で受診する例が相次いでいるとの話を聞いた。ネットを覗いて驚いた。糖尿病科でも内科でもない瘦身をうたう自称「クリニック」が多数あった。サイト内ではスーパーのちらしのように”20%off”などと赤字で薬剤の安売りをうたっている。 健康保険の適応外使用も許容される自費診療で、薬剤費を言い値で決めて処方(販売)し薬を郵送しているようだ。血液検査もできないオンライン診療で低血糖や膵炎などの重篤な副作用を起こしうる薬を郵送する体制が放置されている。万一、低血糖などを生じた場合には他院の救急外来などを受診することになる。 一定基準を超える肥満者(BMI>35など)に保険適応となったが、基本的な食事・運動療法でも効果が乏しい例のみを対象とし、副作用管理にも経験豊かな専門医が治療にあたるべきである。受診者がしっかりとしたヘルスリテラシーを持たないと危険な状況に陥りうる現状に多大なる懸念を抱いている。 #オンライン診療 #肥満症 #糖尿病治療  (定期的に寄稿している原稿の要約・改変版です。)
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