【身も蓋もない?「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」】
適量のお酒は多くの薬よりも効果があるとする「酒は百薬の長」。中国の歴史書「漢書」に由来するとされる。いきなり、身も蓋もない話になるが、近年の疫学的研究はこの考えを完全に否定する結果を示している。
厚生労働省は昨年「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表し飲酒量を正確に把握するために、純アルコール量を指標とすることを推奨している。「純アルコール量(g)=摂取量(ml)×アルコール濃度(%)×0.8(アルコールの比重)」で計算できる。ネット検索で簡単に算出してくれるサイトや目安となる一覧表はすぐに見つかる。アルコール飲料の表示にも純アルコール量を記載する例も増えている。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-001.html
1日の純アルコール量20g以上で大腸がんのリスクが高まる。男性では、脳卒中、前立腺がんのリスク上昇も20g以上とされる。女性ではアルコール分解能が低いためより少量でも脳卒中リスクは上がる。この「純アルコール量20gはビール中瓶1本、日本酒1合、ワイン・グラス2杯に相当する」と話すと大抵の上戸の面々からは呆れられる。「そんなもん飲んだうちに入らん」というのが大方の反応だ。
国民1人当たりの消費量は減少傾向にあり、20年間で2割減っている。しかし、アルコール性肝疾患の死亡数は20年で約2倍になっている。飲まない人と習慣的に深酒する人の飲酒行動の二極化が進んだと考えられる。
アルコール飲料メーカーも状況を察して、上手なアルコールの楽しみ方を提唱する方向に転換する動きもある。ノンアルコールビールの開発が盛んなのもその一つだ。また、アルコール度数の高い缶酎ハイ(ストロング缶)も製造を控える流れが続いている。
習慣的にお酒を愛する御仁は、仕事終わりに喉越しを楽しむのは、美味しくなってきノンアルコールビールに変えて、お祝いや特別な時だけ、美酒を味わうスタイルを目指してみてはどうだろう。
#飲酒 #アルコール #ガイドライン
(定期的に寄稿している原稿の要約・改変版です。)