特に大した理由もなく全然使ってなかったけど、これくらいの物なら数分でできるのね。
↓↓
為替介入について、イラン情勢まで考えると、個人的にはさらに「長期的な円安」を警戒しています。
日本が為替介入に慎重なのは、単純に「IMFルールで禁止されているから」ではない。
IMFの原則上、為替水準そのものを狙った恒常的な介入は正当化しにくい一方、急激・無秩序な為替変動への対応としての介入は可能。
つまり「ルール違反だから介入できない」わけではない。
ただ、日本政府としては「為替を操作している」と海外から認定される政治的コストはかなり大きい。
特に日本では、為替介入とIMF・G7のルールまで理解している人はそこまで多くない。
「政府が恣意的に円相場を動かしている」という報道になれば、政権にとってかなり痛い。
だから、急激な円安局面では介入するものの、円安トレンドそのものを力ずくで反転させるような介入はやりにくい。
そして、ここにイラン情勢が加わる。
ホルムズ海峡の混乱などで原油・LNGなどのエネルギーコストが上昇すれば、日本は大きな影響を受ける。
実際、7月の日本の輸入額は前年比27.8%増となり、原油輸入額は87.8%も増加した。エネルギー価格の上昇が日本の貿易収支を圧迫している。(Reuters)
つまり、
円安
↓
輸入エネルギー価格上昇
↓
輸入額増加・貿易収支悪化
↓
円売り圧力
↓
さらに円安
という循環が起こりやすくなる。
もちろん、エネルギー高はインフレを押し上げるので、
円安・エネルギー高
↓
インフレ上昇
↓
日銀の利上げ圧力
↓
円高要因
という逆方向の力も働く。
ここで重要なのが、日本経済の状態。
「インフレなんだから日銀が金利をどんどん上げればいい」
とは簡単にはいかない。
現在の日本は、インフレ圧力が強い一方で、景気の足腰はそれほど強くない。
2026年4~6月期のGDP成長率は年率1.1%にとどまり、個人消費は減少、設備投資も減少した。(Reuters)
つまり日銀にとっては、
「利上げしない」
→ 円安・輸入インフレが進む
「利上げする」
→ 住宅ローン、企業融資、消費、設備投資を冷やす
という難しい二択になる。
しかも日本の10年国債利回りはすでに3%近くまで上昇している。
ここから政策金利を急激に引き上げれば、政府の利払い負担や企業の資金調達コストにもかなり効いてくる。(Reuters)
だから、日銀がインフレだけを見て欧米のように急ピッチで利上げするのは難しいと思う。
実際、現在は9月の利上げ観測が強まっているものの、それでも日本経済の弱さや長期金利の上昇を無視して無制限に利上げできるわけではない。(Reuters)
そして米国側も「ドル安なら何でもいい」というわけではない。
ベッセント氏としては、米長期金利の上昇は抑えたい。
しかし、極端なドル安によって輸入インフレを再燃させることも望ましくない。
だから米国にとっても、
「ドル安・円高にすればいい」
ではなく、
「米国債市場を安定させながら、円の急落も抑える」
くらいが現実的な落としどころなのではないかと思っている。
そう考えると、為替介入は「円安トレンドを終わらせる政策」というより、
「急激な円安を一時的に止めるブレーキ」
になりやすい。
そして、
・日本の景気は強くない
・日銀は急激な利上げをしにくい
・日本はエネルギー輸入国
・中東情勢次第ではエネルギー価格がさらに上がる
・円安による輸入インフレが続く
・政府の債務負担も大きい
・米国も極端なドル安を望んでいるとは限らない
こう考えると、個人的には、
「介入があるから円安は終わる」
ではなく、
「急激な円安は介入や政策対応で何度か止められる。しかし、日本の金利を大幅に引き上げることも難しく、構造的な円安圧力が残る限り、長期ではゆっくり円安方向」
というシナリオを今のところ見ています。
むしろ怖いのは、円安を止めるために金利を上げようとしても、景気と財政がそれを許さない「板挟み」になること。
イラン情勢によるエネルギーコスト上昇が長期化するなら、この問題はさらに厄介になると思っています。