【定例通信 第71回】相続税対策としてのアパート経営~注意点~
こんばんは!
みうさんと申します🐍
さて、今回は相続税対策としてのアパート経営というお話をテーマとして取り上げます。
ある程度の年齢となり、ある程度の資産を保有していると、不動産屋や金融機関などから新築アパートの経営についての提案がされるということがままあるようです。
その理由は「相続税の節税対策になるから」というのが表向きの理由です
もちろん、この話をそのまま鵜呑みにしてはいけません。
「その意味合い」をしっかり自分の中に落とし込んでおく必要があります。
今回のお話、個人的には結構大切なものだと思っています。
過去の定例通信で取り上げた知識の組み合わせもありやや複雑ですので、過去の定例通信にもチャレンジしてみてください!
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【定例通信 第66回】税金について学ぼう~相続税~
https://postprime.com/miusan/posts/436910
【定例通信 第61回】土地価格の種類
https://postprime.com/miusan/posts/369307
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さて、話を相続税対策としてのアパート経営の注意点に戻しましょう。
●アパート経営をすると相続税対策となる理由
さて、冒頭の方で不動産屋や金融機関等のセールスがアパートを新築しアパート経営(不動産投資)の提案をしてくるということを言いました(金融機関の場合は借り入れたお金で不動産投資でしょう)
そして、このような提案をするのは「相続税対策」のためだと言われます。
ところで、なぜアパートを新築してアパート経営をすると「相続税対策」となるのでしょうか?
(1)相続税ってどう計算していたっけ?
復習になりますが
相続税を計算する際には
「各法定相続人の取得金額」×早見表の税率
という過程を経ます
そして、早見表の税率というのは、「各法定相続人の取得金額」に応じて段階的に変わります。
(定例通信 第66回の添付画像の早見表を思い浮かべるとすぐわかるでしょう)
この早見表を見るだけで、「相続税を抑えるなら取得金額を下げること」という理屈は分かるかと思います。
(2)不動産の評価額って何が目安になったっけ?
それでは、なぜアパート経営なのか?
ポイントは「相続財産の価値を評価するときの不動産の評価額」です。
第61回の定例通信では様々な土地の価格について紹介しておりました。
その中でも相続税の税額計算の評価基準として路線価が参考にされるということを書いておりました。
この路線価は、公示価格より2~3割ほど低く評価されるのでしたね。
とすると、節税においてアパート”経営”が肝というわけではありませんね。
(3)あくまで相続財産の評価を圧縮しているというのが節税の肝
さて、イメージするために簡単な例を考えましょう
相続財産が1億円の現金と1億円で購入した不動産だとどちらの方が相続税が安くなるかを考えてみましょう(不動産の評価額は5000万円だったとしましょう)
早見表から求めてみると
1億円の現金の場合→1億円×30%-700万円=2300万円
不動産の場合→5000万円×20%-200万円=800万円
相続税の課税対象になる財産を変えることにより、現金にしておくよりも不動産に変えてしまう方が納める税金が安くなっていますね。
便宜的な設定ではありますが、相続税対策の肝は「相続税評価」にあるということは分かるでしょう。
これが「相続税対策」という理由というわけですね
●冷静な判断する
ここまでで、相続税における節税の理屈は分かったかと思います。
ですので、ここで一度改めて冷静に考えてみましょう。
節税においてアパートの経営は見合ってる?
金融機関からの借入は必要?
アパートを新築すれば、たしかに評価額との関係で節税にはなるでしょう。
しかし、他方でアパート経営をすることによる投資リスクが新たな問題として浮上してきます。
この場合は、「節税」という視点で判断してしまうのではなく、「不動産投資として見合っているか」という視点での判断が必要になります。
また、金融機関からの借入についてですが、これは節税とは全く関係が無いことに注意しましょう。
相続税を節税するためにお金を借り入れて不動産を購入し、不動産投資をするというリスクを敢えて取る必要があるのか、冷静に考える必要があります。
節税と言いつつ本命は投資勧誘やセールスということも往々にしてありますので、勧誘があった場合には現状を把握し、適切に判断出来るようにしましょう❗
今回はここまで🐍