【定例通信 第56回】詐欺被害の予防のために知っておきたい行動心理
こんばんは!
みうさんと申します🐍
副業や投資を始めると情報収集をすることは自然なことだと思いますが、お金に関する情報には胡散臭いところも多いです。
投資詐欺なんてその典型ですよね。
自分のお金は自分でしか守れません。
そこで、今回は、金融広報中央委員会の福原敏恭氏の調査論文『行動経済学を応用した消費者詐欺被害の予防に関する一考察』を基に、詐欺の予防策を紹介します。
https://www.shiruporuto.jp/public/aboutus/container/report6/pdf/ron171213.pdf
●加害者が使用するキーワードのタイプを知る
調査論文では京丹後警察署がHP(
https://www.pref.kyoto.jp/fukei/anzen/seiki_t/furikome/documents/kyward27_2.pdf)で公開している「特殊詐欺キーワード集」から詐欺で用いられるキーワードを大きく4つに分類しています。
①説得的話法
警察官や司法書士など信憑性のあるワードや、「会社を首になる」「交通事故に遭った」など恐怖を喚起するワード、「必ずもうかる」「損しません」など利得勧誘ワード、「今日中」「あなたにだけ」といった希少性を示すワードを使うことによって被害者を誘導するタイプのキーワード
②具体的投資先
架空投資詐欺の場合は「クリーンエネルギー」「未公開株」といった具体的な投資先を示すタイプのキーワード
③資金授受方法
「電子マネー購入」「ATM」「通帳を預かる」といった被害者から資金授受に関連するタイプのキーワード
④電話偽装関係
「オレオレ」「声が出ない」など電話先の被害者を納得させるタイプのキーワード
●ポイントは説得的話法
キーワード集のなかでも数が多いのは「説得的話法」
説得的話法というのはもともと営業戦略の場面で消費者の購買を促進するために消費者心理を利用したものですが、詐欺の場面でもこれが利用されているということですね。
詐欺では、会話の中で恐怖喚起・利得勧誘のワードを使うことで被害者の感情を揺さぶることで不合理な行動を起こしやすくしているようです。
合理的に判断すべき場面で感情的な意思決定が優先されてしまう現象のことを行動経済学で「認知的節約行動」というようで、詐欺ではフル活用されているようですね。
●突然の電話があった場合の対応策
平常時は「知らない番号の電話に出ない」など警戒心が強ければ実施しているかと思います。
私も基本的に知らない番号から電話がかかってきた場合には検索してから折り返すようにしています。
詐欺とは言わないですが調べてみると不動産投資会社からの電話であることが多いですね。
さて、ここでは電話に出てしまった場合に挙げられている3つの対応策を紹介します。
①説得的話法の速やかな察知と会話の打切り
電話の最中に相手方が上記の説得的話法を使っているなと気づいたら会話を打ち切ること
②第三者と相談する機会を確保すること
相手方が資金授受方法を提示するかもしれませんが、その行動をとる前に第三者と相談すること。
相談先として、家族・親戚・消費者センター・弁護士など
③個人情報の秘匿と質問・反論による牽制
基本的に詐欺は加害者のペースで話が進行していくため、それを牽制するために質問や反論を投げかけるということが有用ということです。
個人情報の秘匿は、加害者がそこで仕入れた家族構成などの情報を活用して信憑性のある説得的話法を仕掛けるヒントを与えることを止めるためです。
今回、福原氏の調査論文を興味深く読ませていただき、ポイントを紹介させてもらいました。
基本的に、冷静な判断ができるときには詐欺に引っかからないかと思いますが、詐欺に引っかかるときは「異常」な場合であることが多いようです。
こんなときに「説得的話法」を知っていると異常な場合でも詐欺を予防できる確率が高まるといえそうです。
ここにいる皆さんはおそらく投資の勉強にあたって自然と詐欺まがいの情報の取捨選択をされているかと思いますので、問題ないと思うのですが、情報を知らない人が不意に詐欺の電話などに出くわしてしまうと案外引っかかってしまうのかもしれませんね。
それでは、また明日!