【定例通信 第40回】世界の年金制度
こんばんは!
みうさんと申します🐍
前回は日本の年金制度の財政検討調査結果の中から「所得代替率」について取り上げました。
簡単に振り返ると日本の年金制度は、
年金制度を維持するために、年金額が現在の平均手取収入の50%という基準を下回らないように、5年に一度年金制度の状況を分析・調査しているのでしたね。
その役割を果たしているのが財政検証でした
直近では令和元年に財政検証が行われ、それによると2046年にはそのラインを割る可能性が高いということでした
今後年金制度について改革が行われそうだなぁ、というところに加え
老後に向けた資産形成の必要性がなお高まっているように思われますが、
日本の年金制度の課題は結局「これから何十年と制度として維持できるのか?」といったところにあるのかな、と思います
そう思わない人もいるから年金の保険料を払わないという人もいるのでしょうが、それはそれとして、
ところで、他の国の年金制度はどのようになっているのでしょうか?
日本と違う点はあるのでしょうか?
この点、日本年機構のホームページに世界の年金制度の一覧表がありますので、興味があれば是非ご覧ください。
https://www.nenkin.go.jp/service/shaho-kyotei/kunibetsu/20131220-01.html
比較表をパッと見た感じ、違う点もありますがだいたい同じような感じとも思えますが、
マーサー(
https://www.mercer.co.jp/newsroom/2020-global-pension-index.html)
という会社が世界の年金制度のランキングというものを出しています。
これによるとオランダが世界一の年金制度だとされているのですが、いったいどういうものなんでしょうか?
まず、日本年金機構の一覧表を見ると
●日本
被用者→加入義務あり
自営業者→加入義務あり
無業の人→加入義務あり(20歳~)
受給開始年齢→国民年金65歳、厚生年金保険(男性62歳、女性60歳)
最低加入期間→10年
●オランダ
被用者→加入義務あり
自営業者→加入義務あり
無業の人→加入義務あり
受給開始年齢→65歳6か月(2023年までに67歳に段階的引き上げ予定)
最低加入期間→なし
一番大きな違いは、オランダには最低加入期間がないということでしょうか。
日本年金機構の表には載っていないのですが、オランダの所得代替率は70%あります。
日本は直近の財政検証で60%ほどなので水準の高さがうかがえます。
しかし、もっと重要なのは「持続性」です。
冒頭でもふれましたが日本の年金制度は所得代替率50%を下回らないようにしているわけですが、2046年にはそれが危ぶまれています。
オランダは日本と比べると相対的に年金積立額が潤沢にあります。
積立額だけでいうと日本の方が大きいのですが、GDP比率でみると全然違います。
●日本
約160兆円 対GDP比は約30%
●オランダ
約150兆円 対GDP比は約190%
ちなみにオランダの人口が1700万人ほどに対して日本は12000万人ほどです。
日本よりもはるかに少ない人口で積立額が日本と同じくらいなのでオランダの保険料率は高いです
日本で真似しようと思ってもできません
オランダは国として保険料を高く取る代わりに老後の不安を少なくするというスタンスを取っているわけですね
それに対して、現状、日本の年金制度のスタンスは微妙なところで
安くはない保険料を払い、公的年金だけでは老後の生活は不十分として老後の不安も残るといった感じでしょうか
そのため年金だけでなく、制度投資も活用した資産形成をしてくださいということになっているわけです
日本の年金制度が今後どのように変わっていくのか、正念場のように思われます。
世界の年金制度というタイトルでしたがオランダとの比較のようになってしまいましたが、今回はここまで🐍