【定例通信 第38回】デリバティブ(派生商品)を学ぶ④~スワップについて~
こんばんは!
みうさんと申します🐍
今回はデリバティブ(派生商品)の3つ目の取引であるスワップについてです。
と、その前に前回の答えです
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Aさんは6カ月後に甲社株が上昇すると予想して権利行使価格10,000円、オプション料500円のコールオプションを買ったとします。
①6カ月後の甲社株の市場価格が12,000円となっていた場合のAさんの損益はいくらか?
→Aさんの損益は「12,000円-10,000円-500円=1,500円」となります。
②6カ月後の甲社株の市場価格が8,000円となっていた場合のAさんの損益はいくらか?
→もしAさんが権利行使してしまうと8,000円の甲社株を10,000円で買ってしまうことになりますので、この場合、Aさんは権利を放棄します。そのためAさんの損失はオプション料である500円にとどまることにまります。
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さて、それではスワップの話に戻りましょう。
スワップとは、「交換する」という意味合いですが、金融の世界では金利の受け取りや支払を交換するという意味合いで使用されます。
また、外国為替市場で取引が行われた時に発生する2国間の金利の差のことを表しています。
画像の通りスワップ取引には金利スワップと通貨スワップがあります。
●金利スワップ
同じ通貨で異なるタイプの金利を交換する取引のことをいいます。
たとえば、Aさんが今後金利が低下していくと考えていたとしましょう。
ところが、Aさんは既に固定金利でローンの借り入れをしています。
このような場合、Aさんとしては今後金利が下がっていくと考えているのですから、「変動金利のローンに切り替えたい」と考えるでしょう。
他方で、今後金利が上昇すると考えているBさんがいたとしましょう。
しかしBさんはローンを変動金利で組んでしまっています。(変動金利以外はAさんと同じ条件でローンを組んでいたとします)
Bさんとしては固定金利にしたいと考えるでしょう。
こんな時にAさんとBさんの金利部分を交換出来れば両者が望んだ結果になりますよね!
まさに、Aさんの固定金利とBさんの変動金利を交換してしまおうというのが金利スワップの考え方です
ややこしいのはAさんは金融機関から固定金利でローンを組み、Bさんは金融機関から変動金利でローンを組んでいますが、金融機関との間で契約を変えて金利を変えるということはできません。
金利スワップはAさんとBさんとの間で取り交わされるもので、AさんはBさんの変動金利を支払い、BさんはAさんの固定金利を支払う事で実質的に金利部分を交換しているようになるわけです。
なんだかややこしいですが、AさんもBさんも今後の金利変動に対してリスクヘッジを検討した結果行われた取引という点は押さえておきましょう
●通貨スワップ
異なる通貨間の金利と元本を交換する取引のことをいいます。
たとえば、ドル建て債券を購入した場合、利息と償還元本がドル建てで行われます。
しかし、この場合、為替変動リスクがあります。
そこで通貨スワップを同時に行うことで、そっくりそのまま円建て債券投資をおこなった効果を生み出すことができます。
やっぱりややこしいですが、大切なのはここでも為替変動リスクに対するリスクヘッジとして利用されているという点ですね。
ここまでデリバティブについて回を分けて解説してきましたが、取引をしなくとも考え方を知っておくと投資判断の一助となりえますので是非押さえておきましょう🐍