【定例通信 第28回】損失回避行動と現状維持バイアスについて
こんばんは!
みうさんと申します🐍
最近は風も涼しくなってきて過ごしやすい日が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は損失回避行動と現状維持バイアスについて。
*写真の画像は、金融広報中央委員会「金融リテラシー調査 2019年」の結果を抜粋しております。
「知るぽると」の該当のページはこちらになります。
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/literacy_chosa/
さて、今回のタイトルに出ている現状維持バイアスについてまず説明しましょう。
現状維持バイアスというのは、簡単に言えば「今からの変化を受け入れたくない、変化するのに躊躇う」といったことです。
現状が完璧でなくても、変化することで多少利益を得られる可能性がある場合に変化するか現状維持を選択するかという状況に直面したときに、変化する場合の不利益ばかりに目がいってしまい「現状維持」を選択してしまうことです。
この現状維持バイアスが損失回避行動と関連しているということですが、写真を見てください。
これは、10万円投資をすると50%の確率で2万円の利益を得られ、50%の確率で1万円を損失する状況(期待収益率5%)で投資をするかどうかといった問いですが、
日本人の77.3%は「投資をしない」と答えています。
損失を回避しようとする心理は悪いわけではなく、自然な発想であるかと思いますが、問題はその判断が「現状維持バイアス」に過度な影響を受けて選択されたものではないか?という点にあると思います。
この点、写真には1枚しか添付できないため載せられないのですが、この「選択しない」と答えた方の内訳が興味深いです(当然といえば当然なのかもしれませんが)
つまり、この調査には他に株式や投資信託・外貨預金等への投資をしたことがあるかどうかという質問もあるのですが、投資経験のある人が先ほど質問で10万円の投資をしないと答えた人の割合は47.5%であるのに対して、投資経験のない人が10万円を投資しないと答えた人の割合は88.7%と大きな差があるのです。
また、投資をしている人としていない人との間にはその他の金融リテラシーの正答率でもおお20%近い差があるのです。
調査結果をざっと見るだけでも人間は利益を得るよりも不利益を回避する傾向は読み取れ、現状維持バイアスに影響を受けた判断をしている場面は少なくないと思います。
そして、この現状維持バイアスを逆手にとっているビジネス戦略があります。
それが、「お試し期間」です。
このPostPrimでもそうですし、多くのビジネスで「お試し」でサービスを利用してもらいながら、不利益面を払拭してサービスの継続利用につながるように努力しています。
さて、通常のビジネスの場合であれば「お試し」などでサービス・商品を利用してみてその良さを知ったうえで物事を判断していくことができるのですが、投資の世界ではそうもいきません。
「お試し」で株を買うなんてことはできませんからね。
(もしかしたらポイントで株を買ってみるサービスは投資のきっかけを作る良い機会なのではないか?と書いている途中で思っていますが、どうでしょうか?)
損失を回避すること自体は悪いことではないと思いますし、現状維持バイアスも人間の本能的な部分だと思いますので否定はしませんが、あまり現状維持にハマってしまって物事を判断してしまうと判断力自体を低下させてしまうことに繋がりかねず、あるいは思わぬ利益を見逃してしまうかもしれません。
ということで、今回は損失回避行動と現状維持バイアスについてお話しました。
現状維持と変化の選択にもバランスをもった判断力が必要ですね。
PostPrimでは投資に関してたくさんの人が投稿しています。
ダンさんもよくおっしゃっていますが、たった一人意見だけを聴くのではなく、いろいろな人から情報を集め、最後は「自分で判断する」必要があります。
ということで、いろんな方の投稿を見ていきましょうという宣伝をして、今日はここまで!