【日経新聞:宇宙新興ispace、月着陸船をH3で28年に 北九州市の製造拠点初公開】
宇宙スタートアップのispace(アイスペース)は11日、北九州市内にある月着陸船「ULTRA」の開発、製造拠点を初公開した。
6月に検査を終えた、月着陸船の試作品にあたる構造モデルを披露し、今後実際に使うフライトモデルの製造を進めて28年の打ち上げを目指す。
アイスペースは、顧客の荷物を預かり月面や月周回軌道まで輸送する「ペイロードサービス」をビジネスの中核に据える。
北九州市内にある、高さが10メートルほどある大型のクリーンルームを借り受け、月着陸船の開発や製造をしている様子を初めて公開した。
同社が初公開した月着陸船の構造モデルは、高さや横が4メートル弱あり、重さは燃料を搭載すると4トン近くになるという。
アルミニウムやチタンなどで形成され、約200キログラムの貨物を月へ運ぶ。
観測機器や水分解装置などの輸送を想定している。
初期の開発から打ち上げまでに、およそ200億〜300億円かかると見積もっている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が同日、国の大型基幹ロケット「H3」の9号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げたばかり。
アイスペースも、28年の月面着陸船の打ち上げに、H3を採用する計画を持つ。
北九州市内には、九州工業大学をはじめ宇宙関連の研究機関や、理工系人材を輩出する下地がある。
またアルミニウムやチタンなど扱う製造業が集積し、門司港から種子島まで海の物流網も整っている。
市も宇宙関連産業について、自動車や半導体、ロボットなどと並ぶ集積地とすることを目指している。
アイスペースは、米スペースXの大型ロケット「ファルコン9」を着陸船に採用し、23年と25年に月面着陸に挑んだこともある。
アイスペースの野崎順平・最高財務責任者(CFO)は、今回の公開とH3の打ち上げ成功は偶然重なったとし「宇宙への関心の高まりも追い風に、企業による日本初の月面着陸を成功させたい」との考えを示した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC110DX0R10C26A8000000/