WWDC 2025(Apple世界開発者会議)開幕直前の注目ポイント
✅【1. 総論:出遅れたAI戦略の巻き返しなるか】
焦点は「Apple Intelligence」と大規模言語モデル(LLM)戦略
Appleは生成AI分野での出遅れを取り戻すべく、AI搭載機能の一部を各OSに統合予定。
ただし、Google(Gemini)やOpenAI(ChatGPT)に比べ、発表内容は控えめとの見方が大勢。
Siri強化の発表は見送り
AI強化版Siriは今回のWWDCでは登場せず、導入は1~2年後の見通し。
一方、音声翻訳など一部機能はAirPodsや通話に組み込まれる。
✅【2. 各OSの進化と新インターフェイス】
◆ 新インターフェイス「Solarium」導入
全OS(iOS, macOS, iPadOS, watchOS, visionOS)に統一感のある透明・光ベースのUI「Solarium」採用。
Vision Pro向けに視線スクロールやマジックワンド対応を強化。
◆ iOS 26・macOS Tahoe
Safari、Phone、Cameraアプリのリデザイン
Messagesに「背景イメージ設定」や「アンケート機能」を追加(WhatsApp意識)
macOSで定番のPreviewアプリがiPhone/iPadに初搭載(PDF編集可能)
新「Games」アプリ導入:ゲーム管理・Apple Arcade統合
◆ iPadOS
マルチタスクをmacOS風に再設計、Magic Keyboard推奨
Apple Pencilに「カリグラフィー」機能追加
◆ その他強化点
公共Wi-Fiのログイン情報が複数デバイスで同期可能に
✅【3. AI関連新機能の展望】
◆ Apple Intelligence の主な要素:
通話・メッセージでのライブ翻訳(AirPods含む)
ShortcutsアプリがAI対応に進化:より柔軟な自動化が可能に
Genmojiが進化:複数の標準絵文字の合成が可能に
外部開発者向けにApple製LLMを公開:AI機能をアプリに組み込みやすくなる
クラウド・オンデバイス両対応の新AIモデルを発表予定
バッテリー節約に寄与するAI機能も研究開発中
◆ 発表が見送られる内容
Siri新バージョン
カレンダー/ヘルスアプリ刷新
**Swift Assist(AI開発支援ツール)**はハルシネーション問題で延期
Gemini(Google)との連携は司法省の判断を待ち、今回未発表
✅【4. 市場・競合との関係】
ジョニー・アイブ×サム・アルトマン(OpenAI)連合の台頭
Apple元デザイン責任者とOpenAI CEOの新AIハードウェア構想が業界の注目に。
サムスン×Perplexity(AI検索)の提携
Appleの競合他社も続々とAI強化を発表し、Appleの遅れが際立つ状況。
Apple株式の動き
6月6日時点で203.92ドル(+1.6%)、過去最高値は259.02ドル(2024年12月)。
WWDCでの発表が材料となるか市場は注視。
✅【5. 基調講演スケジュール】
現地時間:6月9日(月)午前10時/日本時間:6月10日(火)午前2時開始
例年通り、CEOティム・クック氏を筆頭に主要幹部が登壇予定