【世界最高のワイン生産地・ボルドー】
ボルドーワインといえばラフィット、マルゴー、ラトゥール、オーブリオン、ムートンなどの格付けワインを思い浮かべるかもしれません
ボルドーはガロンヌ川とドルドーニュ川という2つの大きな川が合流し、ジロンド川という1つの大河となる土地です
ボルドーでは大西洋の方向を向いてジロンド川・ガロンヌ川の左側を左岸、ジロンド川・ドルドーニュ川の右側を右岸といいます
そして、左岸では①メドック、②クラーヴ・ペサックレオニャン、③ソーテルヌ、右岸では⑤サンテミリオン・ポムロールが有名です
そのボルドーが、ワイン作りに恵まれた土地ではなかったと書けば驚かれるかもしれません
大きな川の合流する土地であったことから、干拓などの土地の改良によりワイン産地として重要な地位を占めるようになります
ボルドーがワイン産地として栄えるようになったのは、1152年にボルドー地方も支配していたアキテーヌ公国の侯爵夫人アリエノールが、のちの英国王ヘンリー2世となるアンリ・プランタジュネと結婚し、アキテーヌ地方がイギリス領となって、イギリスとの貿易が盛んになったことによります
その後、英仏戦争で衰退しますが、オランダとの貿易、殺菌技術の発達によるワインの品質の向上などで徐々に繁栄を取り戻します
1855年にパリ万博が開催されたときには、ボルドーワインの評価が高くなっており、ナポレオン3世の発案でメドック地区のシャトーの格付けが行われます
この時の格付けは、当時の流通価格をもとに1樽あたりの価格が3,000フランのものを1級としたという記録が残されています
この時に1級に選ばれたのはラフィット、マルゴー、ラトゥール、オーブリオンの4シャトーのみでした
(オーブリオンは、メドックではなくペサックレオニャン地区のワインですが、当時から評価が高く選ばれました)
そして、2級は2,500から2,700、3級は2,100から2,400、4級は1,800から2,100、5級は1,400から1,600のワインとされたようです(すべてフラン)
制定当時は57シャトーが格付けに選ばれました
数多くのシャトー(現在でも8000以上)の中でわずか57だけが選ばれたのですから5級といっても相当評価が高いのです
この時、最も高額で取引されていたのがラフィットですので、ラフィットは今でも筆頭シャトーとされています
150年以上も前に作られた格付けですが、翌年に1シャトーが追加され、その後は新しいシャトーは追加されていません
ただし、シャトーの分割があり、現在、格付け61シャトーがあります
そして、格付けも一切変更がなく、唯一の例外が1973年にシャトームートンが1級に昇格しただけです
ムートンといえば、毎年エチケットの絵が変わり、その時期に活躍している画家がエチケットの絵を描いていることで有名です
そのムートンは昇格前のエチケットに「1級にあらねど、2級たるを認め得ず。我はムートンなり」と記載し、昇格した1973年のエチケットは、パブロピカソが描き、「かつて2級なりしが、今は1級となる。ムートンは変わらず」と書かれています
ムートンにとって1973年の昇格は、本当に長い長い夢の実現だったのでしょう
長年の強い想いを感じさせます
格付けは1級が5シャトー、2級が14シャトー、3級が14シャトー、4級が10シャトー、5級が18シャトーとなっています
メドック地区にも村があり、有名なのがaサン・テステフ、bポイヤック、cサン・ジュリアン、dマルゴー(地図参照)ですが1級の5シャトーのうち、ラフィット、ラトゥール、ムートンと3シャトーがポイヤック村で作られています
また、格付け全体で18シャトーがポイヤックから選ばれており、ポイヤックのワインが質の高いことが裏付けられています
メドックには、格付けの他にクリュ・ブルジョワと呼ばれる認定制度があり、品質の高いワインが選ばれていることから格付けワインよりリーズナブルで美味しいワインが揃っています
さらに、②クラ―ヴで16シャトーが、⑤サンテミリオンで82シャトーが格付けされています
しかし、サンテミリオンの格付けは長く最上位を2つで独占してきたオーゾンヌ、シュバルブランが格付けから撤退することを表明したことで格付けの意味が問われることになりました
また、⑤ポムロールは格付けはありませんが、ペトリュス、ル・パンなど超高級ワインが生産される地区です
③ソーテルヌ・バルザックは、世界三大貴腐ワインの生産地であり、高品質の貴腐ワインが生産されています
(参考資料:一般社団法人日本ソムリエ協会 教本)