EV用電池材料市場概要— Fortune Business Insightsによる
市場規模と成長予測
フォーチュン・ビジネス・インサイトズによれば:世界のEV用電池材料市場は2025年に約581億9,000万米ドルと評価された。2026年の653億5,000万米ドルから2034年には1,679億6,000万米ドルへと拡大する見込みで、予測期間中の年平均成長率(CAGR)は12.5%と見込まれている。
主な市場動向
低コスト・低リスクな電池化学への移行が最大のトレンドである。自動車メーカーや電池メーカーは、コバルト・ニッケルなど高価な金属への依存を減らしつつ、走行距離と安全性を維持できる材料の採用を進めており、正極・負極材料、電解質、セパレータ全体にわたって需要構造が変化している。
無料サンプル研究PDFを入手する:
https://www.fortunebusinessinsights.com/jp/%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88-%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AB-pdf/112812
市場の推進力・制約・機会
推進力: EV生産の世界的な拡大が材料需要を直接押し上げている。政府の電動化政策、排出規制、充電インフラの整備がこの流れを加速させている。
制約: リチウム・ニッケル・コバルト・グラファイトなど主要原料の価格変動が、サプライヤーや電池メーカーの収益計画に不確実性をもたらしている。
機会: サプライチェーンの地域化とバッテリーリサイクルの拡大が新たな収益源として注目されている。使用済み電池からの材料回収を通じた循環型経済の実現が期待される。
課題: 電池材料の生産・加工が少数の国・企業に集中しており、新規参入者には資本・技術・顧客資格の壁が高い。
セグメント別概況
材料別: 正極材料(カソード)が最大シェアを占め、走行距離・性能・コストのバランスを追求した化学革新の中心となっている。電解質セグメントはCAGR 13.1%で最も高い成長率が見込まれている。
最終用途別: 乗用車セグメントが最大需要源であり、SUV・クロスオーバーを含む電動化拡大が牽引している。商用車セグメントはCAGR 15.1%と高成長が期待され、物流・バス・トラックへのEV普及が背景にある。
地域別概況
アジア太平洋: 2025年の市場シェアは77.57%。中国が世界売上高の約67.6%を占め、韓国・日本も成熟した電池エコシステムを擁する。インド・東南アジアは新興拠点として台頭中。
北米: 国内電池工場への積極投資により供給の地域化が進み、材料需要が高まっている。米国は世界売上高の約11.4%を占める。
ヨーロッパ: 脱炭素化政策と欧州内バッテリーサプライチェーン構築の推進が需要を後押し。ポーランドが欧州内最大拠点のひとつ。
主要プレーヤー
CNGR Advanced Materials(中国)、Huayou Cobalt(中国)、POSCO Future M(韓国)、LG Chem(韓国)、Umicore(ベルギー)、BASF SE(ドイツ)、日亜化学工業(日本)、アルケマ(フランス)など。
詳細はこちら:
https://www.fortunebusinessinsights.com/jp/%E9%9B%BB%E6%B0%97%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC%E6%9D%90%E6%96%99%E5%B8%82%E5%A0%B4-112812
最近の主な動向(2024〜2026年)
2026年3月: POSCO Future M・錦湖石油化学・BEIが負極フリーのリチウム金属電池技術を共同開発するMOUを締結。従来比30〜50%高いエネルギー密度を目標とする。
2026年3月: アルケマが中国・常熟工場でのKynar® PVDF生産能力を20%拡大(2028年稼働予定)。
2025年12月: POSCO Future MがCNGR・FINOとLFP正極材の合弁契約を締結。年産5万トン体制を計画。
2025年8月: BASFバッテリーマテリアルズが半固体電池向け量産正極活物質を初納入。
2023年9月: LG化学がHuayou Cobaltとモロッコに合弁会社を設立。2026年よりLFP正極材を北米向けに年産5万トン供給予定。