塩野義のコロナ治療薬条件付き承認はありかなしか?まさかアレが仇になるとは・・・。
与党内でも条件付き承認について賛否が出ているようですね。今回は、早期承認に向けて何が問題・論点となるのかを解説します。
論点はズバリ【エンドポイントをどこにするか?】です。エンドポイントとは、薬の有効性を示すための評価項目のことで、ようは最終目標です。前回のポストに書いたように、”ウイルスを十分減らした”だけでは納得させられません。
現在進行中の臨床試験 2b/3については、
【症状が回復するまでの時間】
を元々エンドポイントにしていたそうです。ところが、治験参加者はワクチン接種者が多く、回復も早い傾向にあります。そのため、中々統計的に有意なデータが集まらず、かなりの症例数が必要な状況になったようです。その結果、現在は以下のような方針だそうです。
・Phase 2b (400症例) → 抗ウイルス効果、症状のスコアが下がっていくトレンドを検証し、この時点で条件付きの承認申請を目指す
・Phase 3→ (2000症例)オミクロン株の出現でまた状況が変わっているため流動的(つまり未定)
薬は安全第一、という観点からすれば時間をかけてでも十分なデータを確認するのが本来望ましいです。しかし、今は普通の薬とは状況が違い難しい判断を迫られます。パンデミックの早期終息は経済活動回復に直結しますし、アメリカに治療薬開発が先行されています。あまり薬のリスクを気にしすぎると経済へのリスク(ダメージ)は上がります。
更に、日本のワクチン接種率の高さ、(欧米と比べ)感染者数の少なさが治験にとっては仇になっています。オミクロン株は弱毒化しており、そもそも重症化しにくい状況で、重症化抑制率を示すことも大変難しくなっています。それこそ何万例といった症例が必要になりそうです。この「病気が流行ってないせいで薬が早く開発できない」というのはなんともジレンマというか本末転倒というか、ちょっとモヤっとさせられます。
個人的には、ファイザーのものと作用機序が似ており、ファイザーのものより分子レベルでは優れた性能を持っているのだから、効能は期待できると思っています。勿論然るべきデータは必要ですが。最終的には薬のデザイン・性能が功を奏して逆転できるといいですね。
#コロナ #COVID19 #塩野義 #経口薬 #治療薬
出典
https://www.shionogi.com/jp/ja/investors/ir-library/presentation-materials.html
より、2月7日 COVID-19治療薬「S-217622」に関する説明会を参照。
日刊薬業
https://nk.jiho.jp/article/168895