今回は、先週立てた投資戦略の答え合わせをしていきます。
その前に、ひとつ白状しておかなければならないことがあります。先々週なのですが、投資戦略を練ること自体を、すっかり忘れておりました。シナリオを持たないまま一週間を過ごすという、なかなかの失態です。申し訳ありませんでした。
シナリオがないと、当たったのか外れたのかも分かりません。つまり、修正のしようがない。改善の材料が、一つも残らないということです。
その反省もあって、先週はガンマ構造から、きちんと組み立て直しました。どこが合っていて、どこが外れたのか。順番に見ていきます。
Slide 2|先週のシナリオ
先週の想定は、こうでした。
ガンマフリップが、六万八千円から六万八千五百円。ガンマピンが、六万九千円から六万九千五百円。上昇トレンドの上限が、七万円から七万五百円。
値動きのイメージは、三段構えです。月曜は上昇の勢いが残り、七万五百円を試す。火曜から水曜は、その反動でフリップ帯まで押す。木曜からSQにかけて、ピン帯に収束する。
想定レンジは、六万八千円から七万五百円。SQの着地は、ピン帯である六万九千円から六万九千五百円。
この四つが、検証すべき仮説です。当たった仮説より、外れた仮説のほうが、次の一週間に効きます。
Slide 3|月曜:上限
まず月曜です。
高値は、七万三百八十四円。上限として置いた七万五百円の、あと百円あまり手前で失速しました。安値は六万八千九百四円。終値は六万九千七百三十七円で、前週末比わずか六円安。往って来いの一日です。
注目すべきは、この七万三百八十四円が、結果として週の最高値になったという点です。
つまり「月曜に上値へ接近したら、保有建玉を整理する」という判断材料は、機能したことになります。
ここで大事なのは、設計の順番です。上限にきっちり触れてから売るのではない。上限に近づいた時点で、あらかじめ軽くしておく。上限は、到達を待つ場所ではなく、準備を始める合図として使う。
Slide 4|火曜・水曜:フリップは床ではなかった
火曜。終値は六万八千二百五十六円。前日比、二・一パーセント安。想定したガンマフリップ帯、六万八千円から六万八千五百円の、ちょうど中心に着地しました。ここまでは想定どおりです。
問題は水曜でした。フリップ帯を下に抜け、六万六千八百十九円まで下落。想定レンジの下限割れです。カスケードが起きました。
ここで、学び直したことがあります。
ガンマフリップは、床ではありません。加速装置です。ディーラーがショートガンマ側に落ちた瞬間、下げは自分で自分を加速させます。
フリップに近づいたから拾う、ではない。フリップを割ったら、一段深い水準まで想定しておく。レンジの下限は、支えではなく、通過点になり得ます。
Slide 5|半導体:押し目は来た。ただし深かった
ここで、半導体を確認します。
火曜、サムスンの株安を引き金に、日経半導体株指数は六・四パーセントの急落となりました。指数全体の下げが二・一パーセントですから、およそ三倍の下げ幅です。
着眼していたキオクシア、サムコ、スクリーンホールディングスといった半導体サプライチェーンにも、当然、押し目は来ました。
ただし、想定より一段深いところに来ました。ここが重要です。
フリップ帯で拾う設計だと、水曜の下落を丸ごと被ることになります。押し目が来る、という予想が当たっても、拾い方が一括なら、結果は変わりません。深さの見積もりを外す前提で、分割で拾う。この設計だけが、この一週間に耐えられました。
Slide 6|木曜・金曜:SQ値は取った
木曜、九百二十四円高。金曜、八百十三円高で、終値は六万八千五百五十七円。ザラ場では、一時六万九千三百円台まで戻しています。
そしてSQ値は、六万九千百七十一円。想定したピン帯、六万九千円から六万九千五百円の中に、きれいに収まりました。
さらに、金曜のザラ場高値は、このSQ値を上回っています。市場は実際にSQ値まで買い上げ、到達した。ピン帯の収束想定は、机上の数字ではなく、実際の値動きとして成立しました。
一方で、終値はSQ値をやや下回っています。六万九千円台には、コールの売り建てが厚く残っている。ピンは効いた。ただし、その上には蓋がある。この二つは、分けて理解しておきます。
Slide 7|採点
整理します。
当たったのは三つ。月曜が週の高値になったこと。火曜にフリップ帯へ着地したこと。SQ値がピン帯に収まり、実際に到達したこと。
外れたのは一つ。想定レンジの下限を、守れなかったことです。加えて補足では、ピンが上に破れる可能性を挙げていました。実際に破れたのは、下方向でした。
三勝一敗。ただし、点数そのものはどうでもいい。次に効くのは、外れたほうです。
レンジは、壁ではありません。確率の濃淡にすぎない。イベントが並ぶ週には、その濃淡は簡単に塗り替えられます。
次週は、アメリカの消費者物価指数、エーエスエムエル、ティーエスエムシー。材料が並びます。その話は、次回のシナリオで。
なお、
本内容は市場構造の整理であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。最終的な投資判断は、ご自身のリスク許容度に基づいて行ってください。