② SDGs「原子力」これからの原子炉はどんな姿??
キーワードは・小型化・モジュール・多目的⇒「小型モジュール炉」(SMR(Small Modular Reactor)です。
世界の原子炉には、原子炉の冷却に水をつかうものと、水以外の物質をつかったものがあります。
①NuScale SMR
米国NuScale社はSMR開発の先駆者の1つで、これまで米国エネルギー省からの支援を得ながら開発を進めています。初号機 の建設はアイダホ国立研究所(INL)の敷地内に計画されており、米国の原子力規制委員会での審査も最終段階にあります。
「特徴」
1モジュールの出力は6万kW、通常の「加圧水型」原子炉の1/20程度
最大12個のモジュールを大きなプールの中に設置
1モジュールは、「圧力容器」「蒸気発生器」「加圧器」「格納容器」をふくむ一体型パッケージで、大型の冷却水 ポンプや大口径配管が不要
各モジュールは、それぞれ独立したタービン発電機と復水器に接続
小型化と一体化を図ることにより、大規模な冷却材喪失事故のリスクを回避
(提供)NuScale Power社
②BWRX-300
日立GEニュークリア・エナジー社と米国GE Hitachi Nuclear Energy社はSMRであるBWRX-300を開発中です。同社は、原子力発電所の設計・製造経験と、さまざまな製品のモジュール製造経験が豊富で、その経験を活かした原子力イノベーションを進めています。米国でBWRX-300初号機の建設をめざして、米国原子力規制委員会にはすでに安全審査項目に関する技術レポ ートを提出しています。また、カナダでの建設も視野に入れ、カナダ原子力安全委員会でも審査を開始しています。
特徴
従来の「沸騰水型」よりもさらに構造が単純で、建設コスト、運転コストの低減が可能
SMRのメリットである低い総建設費、工場完成一体据付、建設工期短縮のメリットを生かして資本リスク、建設リス クの低減が可能
ガス火力並みの価格競争力を持ち、米国のガス火力発電プラントの建て替え需要も視野に
圧力容器と一体になった弁を採用し、大規模な冷却材喪失事故のリスクを実質的に回避
(提供) GE Hitachi Nuclear Energy社
③PRISM
PRISM(Power Reactor Innovative Small Module)も米国GE Hitachi Nuclear Energy社が開発するSMRですが、こちらは原子炉の冷却に水ではなくナトリウムを使った原子炉です。「高速炉」と呼ばれるタイプの原子炉で、従来の原子炉と比べて 廃棄物の有害度が低く、量も少ない、ウラン資源を有効活用できるといった特徴があります。米国エネルギー省は、PRISMを ベースとした熱出力30万kWの多目的試験炉(VTR)を、アイダホ国立研究所に建設し、2030年までに運転開始する計画を推進しており、これがPRISM型の原子炉の第1号になると見られています。
特徴
空気の自然循環を利用して熱を冷やす方式を採用し、高い安全性・信頼性をもつ
高速炉は大気の圧力(大気圧)と同程度の圧力で運転されることから、冷却材喪失事故やそれにともなう格納容器内 の圧力上昇が発生しない 出力あたりの原子炉建屋の大きさは、「加圧水型」や「沸騰水型」のSMRよりもさらに小さい 高レベル放射性廃棄物の体積を減らすことが効率的にできる
炉心温度が高く、軽水炉型にくらべて熱効率を飛躍的に向上できる
(提供)GE Hitachi Nuclear Energy社
・脱炭素化にも役立つ原子力イノベーションを支援、革新的な原子力技術を開発する動きは、米国で10年ほど先行して起こっていますが、近年、日本企業の研究開発も活発化して います。
また、2020年1月21日には、エネルギー・環境分野の革新的技術の確立を目指す「革新的環境イノベーション戦略」が策定されました( 「イノベーションを推進し、CO2を『ビヨンド・ゼロ』へ」参照)。原子力は、この戦略の中でも触れられて います。 SMRは、今後の発展が期待されます。^^
・原油高騰、脱炭素社会に向けては原子力の力も借りないといけないのかな?
・難しい分野ですが、電気代に影響するので期待したいです^^