■本日の投資基本用語🛩
『相場操縦』とは
株式や債券などの相場を意識的・人為的に変動(上下)させること。
その相場をあたかも自然な需給によって形成されたかのように第三者(他の投資家)に誤解を生じさせ、その相場の変動を利用して自己の利益を図ろうとする不正行為。この行為は、金融商品取引法において禁止されている。
★相場操縦取引の例
①仮装・馴合売買(金融商品取引法第159条第1項)
・仮装売買:自らの売注文と買注文を同時に発注し約定させ
る、権利の移転を目的としない取引
・馴合売買:売主と買主が連携したうえで行う上記と同様
の取引
②見せ玉(金融商品取引法第159条第2項第1号)
約定させる意思のない注文を発注することで第三者の注文
を誘発して相場を動かし、自分に有利な値段で売買を行
う行為。
★ 不公正取引に繋がるおそれのある取引
①株価を引き上げる対当売買
現在値が500円のところ、少しでも高く保有株を売りた
い投資家ちょこは、
・売注文と買注文(いずれも505円に10単位)を自ら発注
して約定(対当売買)させることで、株価を505円に引
き上げる。併せて現在値より8円高い508円で10単位の
売注文を発注。
・ちょこの対当売買による株価引上げを見て、引続き株価が
上昇するものと誤解した第三者の買注文が発注されたこと
で、より高い値段(508円)での保有株売却に成功。
② 売買を活発に見せる対当売買
現在値が500円のところ、少しでも高く保有株を売りた
い投資家ちょこは、
・売注文と買注文(いずれも500円に100単位)を自ら発
注して約定(対当売買)させることで、売買高を増加させ
る。
・ちょこの対当売買による売買高の増加を見て、売買が活発
に行われていると誤解した多数の第三者が当該銘柄の売買
に参入し、株価が上昇したところで、より高い値段(550
円)での保有株売却に成功。
③ 売り買い不均衡な対当売買
寄付き前の予想対当値段が500円のところ、投資家ちょ
こは、
・成行売注文100単位と成行買注文110単位を自ら発注し
て、寄付きで約定(対当売買)させることで、売買高を増
加させつつ、寄付きの株価を505円まで引き上げる(A
は実質的に差引き10単位を505円で買付け)。
・ちょこの対当売買による株価引上げを見て、引続き株価が
上昇するものと誤解した第三者の買注文が発注されること
で、さらに株価が上昇したところで、寄付きで買い付けた
10単位について、より高い値段(510円)での売却に成
功。
④ 終値引上げ後の対当売買
信用取引の返済期限が迫る中、乗換えのための対当売買を
より高い値段で行いたい投資家ちょこは、
・大引け直前に、現在値より5円高い、505円で10単位の
買注文を発注して約定させ、終値をより高い値段(505
円)とすることで、翌日の基準値段を引き上げる。
・翌日の寄付き前に、売注文と買注文(いずれも成行100単
位)を自ら発注して、寄付きで約定させることで、引き上
げた基準値段(505円)での対当売買が成立。
⑤ 見せ玉
見せ玉とは他の投資者に相場が自然に形成されたと誤解さ
せて売買取引に誘い込むことを目的として、約定させる意
思のない買付け注文又は売付け注文を行うこと。
現在値が500円のところ、少しでも高く保有株を売りた
い投資家ちょこは、
・「約定させる意思のない買注文(見せ玉)」を496円~
499円で合計400単位発注することで、買い側が優勢な
ように見せかける。併せて現在値より5円高い505円で
10単位の売注文を発注。
・ちょこの買注文(見せ玉)を見て、株価が上昇するものと
誤解した第三者の買注文が発注されることで株価が上昇
し、より高い値段(505円)での保有株売却に成功。
・不要となった買注文(見せ玉)を取消し。
上記は当法人では意図的に株価を変動させるような行為について、不公正取引に繋がるおそれのある取引として注視している。
何事も公正公平にやっていきたいですね!
また一つ知識が増えました😊
以上