「ギフテッド」と呼ばれる特異な才能がある子どもの支援を検討する文部科学省の有識者会議が1日あり、当事者や保護者らへのアンケート結果が公表された。
学校生活で悩みやトラブルを抱える子どもが多いことも分かった。ある当事者は「教科書の内容をすべて理解したが、自分のレベルに合わせた勉強が許されず、叱られ、授業中は暇をもてあました」との声を寄せた。ほかにも「発言すると授業の雰囲気を壊すので分からないふりをしなければならない」「習っていない解法を回答すると×にされることが嫌だった」などが挙げられた。
学校や教育委員会、国に期待する支援については、保護者から「先生にギフテッドの特性を学ぶ時間を取っていただきたい」など、教員の理解を求める意見が多かった。
(伊藤和行)
私の塾には四日市高校のトップクラスの子が毎年在籍してくれている。もう9年連続して京都大学に合格する子が出ている。
この子たちはギフテッドと呼ばれる水準ではないけれど、秀才さんたち。共通して言うのは
「学校の授業は受験に役立たない」
「担任の先生が京大を受けたら落ちるレベル」
ということ。
ここに繰り返し書かせてもらっているが、日本は同調圧力が異常に強い。要するに「みんな同じ」でなければ許さない文化なのだ。だから、ここ三重県では左翼教育が盛んだけれど住民の大半の方はその事実さえ自覚していない。もともと、社会主義的傾向が強いのだ。
しかし、腰の重い文科省が動き始めたということは
「いよいよ二進も三進もいかなくなった」
という証拠だろう。先日もアメリカ国籍の日本人がノーベル賞の受賞インタビューで言っていた。
1931年に生まれた眞鍋氏は、現在90歳。東京大学大学院を修了した1958年に27歳で渡米し、1975年に米国市民権(国籍)を取得、キャリアのほとんどをアメリカで築いてきた。会見で、米国籍を選んだ理由について、眞鍋氏は、
「日本人は調和を重んじる。イエスがイエスを意味せず、常に相手を傷つけないよう、周りがどう考えるかを気にする。アメリカでは、他人にどう思われるかを気にせず好きなことができる。私は私のしたいことをしたい」
と述べ、
“I don’t want to go back to Japan.” “Because I am not able to live harmoniously.”
「私は日本に戻りたくない」「なぜなら調和の中で生きる能力がないから」
と答えた。
多くの日本人は、これをジョークと解して笑っていた。しかし、私は真鍋さんは大真面目で話していたのだと思う。それも、批判的に。アメリカ生活を経験した人なら、この言葉の意味することがよく分かるはずだ。
私は名古屋にある7つの有名大規模予備校、塾、専門学校で14年間英語講師をさせてもらった。旧帝卒の講師に会ったことがない。英検1級を持っている講師に会ったことはない。四日市高校の生徒が、最近
「あの先生は京大卒だって」
学校ばかりではない。テレビの学園ドラマは、ほとんどが「落ちこぼれ」が主役。暴走族やヤンキー、ギャルが立ち直った話ばかりがもてはやされる。アメリカなら「ただのクズ」扱いされる非行少年、非行少女がヒーローのように扱われる。
みんな同じ制服を着て、同じ靴をはいて、同じ髪型をして、同じテキストで勉強させられる。この異常な状況に我慢できない子は、日本を脱出するか、不登校、引きこもりになるしか道がない。分数計算もできない生徒と、微分・積分をマスターしている生徒に同じ教科書を使わせようとするのは狂気の沙汰。
こんなクォリティの学校で、教師が若い才能の芽をつぶしている。その結果、日本の頭脳は海外に脱出を始めて日本国内はスカスカ状態に近づき、韓国・中国にさえ追いつき、追い越されつつある。
さすがに、日本政府も文科省も
「これはマズイ!」
と、気がついたようだ。何度も繰り返して恐縮だが
1,ブラック校則は全廃。何がブラック校則か議論する時に、生徒を参加させる。
2,クラブ活動は強制排除。自由参加とする。素人の教師が指導するのは危険だ。
3,クラス単位の指導はイジメの温床。大学方式で授業毎に生徒が移動すればよい。
このくらい、即座にできるはず。もう手遅れの感はあるが、何もしないよりマシ。もうあまり時間が残されていない。才能のある子に、自由を。がんじがらめに縛り付けると、彼らは日本から出ていく。それは、つまり日本全体が沈没することを意味する。