日立、「シリコン量子コンピューター」の量産化へ基盤技術開発始動 インテル・産総研と連携 | 電波新聞デジタル
**周辺回路の同一基板集積**
シリコン方式はCMOSプロセスと親和性が高いため、量子ビットだけでなく制御回路や(将来的には)誤り訂正のためのデコーダー回路なども同一チップ、あるいは同一パッケージ内の近接した基板に集積しやすくなります。超伝導方式でも「cryo-CMOS」と呼ばれる極低温対応の制御ICを併設する研究はありますが、素子の製造プロセスがそもそも異なる(量子ビットはジョセフソン接合、制御回路は通常のCMOS)ため、集積の親和性ではシリコン方式に分があります。量子ビット数が増えるほど配線本数(I/O)がボトルネックになるため、この「同一基板での集積」は多ビット化のスケーラビリティに直結する重要な利点です。
**動作温度の優位性と発熱源の近接配置**
おっしゃる通り、シリコン量子ビットは100mK〜1.5K程度で動作可能なため、超伝導方式(数mK)より一桁近く「温度的な余裕」があります。これにより、動作時に多少の熱を出す制御・読み出し回路を量子ビットのすぐ近くに置いても、冷凍機の冷却能力の範囲内に収まりやすくなります。超伝導方式だと、発熱する回路は極低温ステージから離して配線で引き回す必要があり、これが配線密度と信号遅延の制約になっています。
つまり「CMOS互換性」と「比較的高い動作温度」は独立した利点ではなく、互いに補強し合う関係にあります。CMOS回路を集積したいからこそ、その発熱を許容できる温度マージンが効いてくる、という構図です。これが今回の日立・インテルの提携でも「高密度な実装技術」の開発が重視されている背景と言えそうです。
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