【アヌニさんのお葬 式】 -40% 未編 「生き返った気分はどうだい」 「今世紀一番新しく、一番奇跡に近い罪の片棒担いだ気分はどう?」 部屋に入ってくるなりニヤリとわらってアヌニがかぶせてきた。マトモ氏は腹の前で手を組んでギシリと椅子をきしませた。「おお、一度死んだほうが頬の筋肉が滑らかだね」「死後硬直緩解だって?うるさいよ」 アヌニは手にかけていた巾着から赤く、丸いものを取り出して、噛む。 「まったく、わたしが遺体美容にかかわるドンピシャの時間によくもまぁ死ねたものだ」 「マトモ先生のバイトスケジュールが綿密で助かったよ」 「それで、生き返りの君は、世間的にはどうなってるんだ」 「なにも。ただの誤診だよ。僕は僕として生きられる。煩わしいものは消えてね。変わったことといえば、誤診した医師が、地に落ちかけそうな名をどうにかしようとして、その後ろ暗いイベント中に何ものかに顔をぐちゃぐちゃになるまでなぐられたそうだよ。ああ、それと、無宗教者用の棺桶が予約でいっぱいになったっていうニュースも聞いた」 「むべなるかな、だな」 マトモ氏は診察室の小窓から中庭を覗いた。 「サオはどうしたんだ」 「野暮用だって」 「なるほど」 カイゼルひげの隙間から幽かに上が