日米株式市場、AI投資懸念で調整
来週はFOMC・日銀会合・大型決算が焦点
2026年7月25日(土)|週末マーケットレポート
今週の結論
日本株はAI・半導体関連株を中心に大幅反落しました。来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀金融政策決定会合、米GDP・PCE物価指数、大型ハイテク企業の決算が集中します。
基本シナリオは「中立~やや弱気」。指数を一括で追うより、政策と決算を確認しながら銘柄を選別する局面です。
1.7月24日の日本市場
指数 終値 前日比
日経平均株価 64,611.15円 ▲1,811.45円(▲2.73%)
TOPIX 4,011.31ポイント ▲42.57ポイント(▲1.05%)
日経平均は週間では0.7%上昇したものの、7月に入ってからは約8%下落しており、値動きの荒い状態が続いています。
下落の主因は、Google親会社Alphabetの株価急落をきっかけとした「AI投資の採算性」への警戒です。市場の評価軸は、AI需要の成長期待だけでなく、巨額の設備投資を何年で回収できるか、利益やフリーキャッシュフローをどこまで生み出せるかへ移っています。
日本市場では、アドバンテストが6.02%安、東京エレクトロンが4.99%安、ソフトバンクグループが7.06%安、キオクシアホールディングスが9.49%安となりました。一方、JR東日本やJR西日本などの内需株は上昇し、半導体株から鉄道、食品、通信などへの資金移動もみられました。
2.米国市場と週明けの日本株
指数 終値 変動率
ダウ平均 51,947.25ドル +0.46%
S&P500 7,411.98ポイント +0.05%
Nasdaq総合 24,975.82ポイント ▲0.64%
米国市場はまちまちでした。原油価格の反落が景気敏感株を支え、ダウ平均とS&P500は上昇しましたが、AI投資負担への懸念からNasdaqは下落しました。Brent原油は前日の1バレル=102ドル近辺から96.78ドルへ下落しています。
7月27日の日本市場では、米ハイテク株安を受けて、半導体・AI関連株の上値が重くなりそうです。一方、原油安は空運、陸運、化学、食品などのコスト懸念を和らげ、銀行、保険、商社、鉄道などのバリュー・内需株には相対的な安心材料となります。
このため、値がさハイテク株の影響が大きい日経平均より、幅広い業種で構成されるTOPIXの方が底堅く推移する可能性があります。
3.来週の重要イベント
7月28~29日:米FOMC
米連邦準備制度理事会(FRB)はFOMCを開催します。市場では政策金利の据え置きが中心予想ですが、原油高や関税によるインフレ圧力を背景に、将来の利上げに含みを残す可能性があります。
据え置きでも議長会見が金融引き締めに積極的な「タカ派」と受け止められれば、米国債利回りが上昇し、高PERのハイテク株には逆風となります。
7月30日:米GDP・PCE物価指数
米商務省は、4~6月期GDP速報値と6月の個人所得・消費支出を公表します。PCE物価指数は、FRBが金融政策の判断で重視するインフレ指標です。
景気と物価がともに強ければ利上げ観測が高まり、グロース株にはマイナスです。反対に、景気減速と物価鈍化が確認されれば、金利低下を通じて株価を支える可能性があります。
7月30~31日:日銀金融政策決定会合
日銀は金融政策決定会合を開き、31日に政策判断と展望レポートを公表します。市場では政策金利1%の据え置きが中心ですが、円安、原油価格、企業の価格転嫁に対する説明が重要です。
追加利上げに前向きな姿勢が示されれば、銀行・保険には追い風となる一方、不動産、REIT、高PER株には逆風となります。
米大型ハイテク企業の決算
来週はMicrosoft、Meta、Amazon、Appleなどの決算が予定されています。注目点は、売上高や1株利益だけではありません。
AI関連の設備投資額
クラウド事業の成長率
フリーキャッシュフロー
今後のAI投資計画
AlphabetやTeslaが巨額投資への懸念から売られたため、好決算でも将来負担が重いと判断されれば、株価が急落する可能性があります。
4.地政学・通商リスク
中東情勢は引き続き最大の外部リスクです。ホルムズ海峡や紅海の航行に支障が生じれば、原油価格だけでなく、海上運賃や保険料も上昇します。
資源、商社、石油開発には追い風となる一方、空運、化学、食品、電力などにはコスト増要因です。
米国の追加関税も警戒材料です。関税は米国の物価を押し上げる一方、世界貿易と企業収益を抑制します。日本の自動車、機械、電子部品などの外需企業には、関税負担と需要減速の両面から影響が及ぶ可能性があります。
5.来週の見通しと投資戦略
総合判断:中立~やや弱気
来週は政策会合と決算結果によって日中の値幅が拡大しやすく、方向を決め打ちするにはリスクの高い週となります。
強気シナリオは、米大型ハイテク企業がAI投資に見合う収益成長を示し、FOMCと日銀が市場想定より穏健な姿勢を示す場合です。
反対に、AI投資負担の拡大、FRBの利上げ示唆、日銀の早期追加利上げ、中東情勢の悪化が重なれば、日経平均は再び下値を試す可能性があります。
投資戦略のポイント
決算前の一括投資は避け、発表内容と株価反応を確認して分割購入する方法が有効です。AI・半導体株だけに偏らず、銀行、保険、商社、鉄道、通信などを組み合わせ、現金余力を残しておくことが重要です。
来週の4大ポイント
FOMCの政策判断と議長会見
日銀の円安・物価・追加利上げへの姿勢
米大型ハイテク企業のAI投資と収益性
中東情勢と原油価格
来週は「相場を当てに行く週」ではなく、政策と決算を確認しながら次の投資機会を選ぶ週です。値動きの大きさに振り回されず、業績、財務体質、キャッシュ創出力を重視した銘柄選別が求められます。
今日も1日頑張りましょう!
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