日米株式市場レポート
米CPI鈍化で半導体・AI関連に追い風
中国GDP、ASML決算、円相場が本日の焦点
2026年7月15日(水)|日本時間 午前7時時点
きょうのポイント
昨日の日本株は、朝方に大きく下落した後、半導体・AI関連株を中心に買い戻され、日経平均・TOPIXともに上昇しました。昨晩の米国市場では、消費者物価指数(CPI)の鈍化を受けて金利上昇への警戒が後退し、Nasdaq総合指数が大きく上昇しています。
本日の東京市場は、米国株高を受けて買いが先行する可能性があります。ただし、中国の経済指標、ASML決算、原油価格、1ドル=162円台の円相場が上値を左右しそうです。
1.昨日の日本株
指数 終値 前日比 騰落率
日経平均株価 67,743.50円 +500.77円 +0.74%
TOPIX 4,038.98ポイント +31.49ポイント +0.79%
東京市場は、朝方に米国株安や中東情勢への警戒から売りが先行しました。日経平均は一時66,268.60円まで下落しましたが、その後は米国株先物やアジア市場の持ち直しを受けて反発しました。
特に、東京エレクトロン、アドバンテストなどの半導体関連株に押し目買いが入り、相場全体をけん引しました。TOPIXも上昇しており、値がさの半導体株だけでなく、金融、機械、資源など幅広い業種に買いが広がったことが確認できます。
一方、円相場は1ドル=162円台と歴史的な円安水準にあります。輸出企業には追い風ですが、政府・日銀による円買い介入への警戒は強く、急激な円高が発生した場合、自動車、電機、機械株が売られる可能性があります。
また、企業間で取引される商品の価格を示す国内企業物価は高止まりしています。原油高と円安による輸入コスト上昇は、銀行・保険株には金利上昇期待を通じてプラスとなる一方、食品、小売、化学、運輸などには収益圧迫要因となります。
2.昨晩の米国株
指数 終値 騰落率
NYダウ 52,508.27ドル +0.02%
S&P500 7,543.59ポイント +0.38%
Nasdaq総合 26,107.01ポイント +0.90%
米国市場では、ハイテク株の比率が高いNasdaq総合指数が上昇しました。6月の米CPIが市場予想を下回り、インフレ鈍化が確認されたことで、米国債利回りとドルが低下しました。
金利低下は、将来の成長期待が株価に反映されやすい半導体、AI、ソフトウエアなどの成長株にプラスです。半導体株の反発は、本日の東京市場でも東京エレクトロン、ディスコ、SCREENホールディングス、レーザーテックなどの支援材料となります。
米国の大手銀行は、株式・債券取引やM&A関連収益が好調で、金融株を下支えしました。この流れは、日本の銀行、証券、保険株にも一定の追い風となりそうです。
ただし、IBMは業績見通しへの失望から大幅に下落しました。IT関連株については、AI投資の恩恵を受ける企業と、従来型システムへの依存度が高い企業との選別が進む可能性があります。
3.本日の重要イベント
時刻 内容 注目業種
8時50分 日本・機械受注 工作機械、FA、設備投資関連
11時00分 中国GDP、小売売上高、鉱工業生産 機械、素材、化粧品、百貨店
14時ごろ ASML決算 半導体製造装置
21時30分 米国PPI 為替、金利、翌日の日本株
日本の機械受注は、企業の設備投資の先行指標です。市場予想を上回れば、工作機械、産業用ロボット、電子部品株に買いが入る可能性があります。反対に、大幅な下振れは企業の投資意欲低下と受け止められます。
午前11時には中国のGDP、小売売上高、鉱工業生産が発表されます。中国経済が予想以上に弱ければ、中国売上比率の高い機械、化粧品、百貨店、素材株にはマイナスです。ただし、弱い数字が追加景気対策への期待につながり、中国関連株が反発する可能性もあります。
午後には、オランダの半導体製造装置大手ASMLの決算が予定されています。ASMLは最先端半導体の製造に必要なEUV露光装置を供給しており、世界の半導体設備投資を判断する重要企業です。受注や業績見通しが強ければ、日本の半導体製造装置株にプラスですが、慎重な見通しが示されれば日経平均の下押し要因となります。
4.金融政策・為替・原油
米CPIの鈍化により、米連邦準備制度理事会による早期の追加利上げ観測は後退しました。ただし、原油価格が高止まりすれば、再びインフレ圧力が強まる可能性があります。
日銀については、円安と物価上昇を背景に追加利上げ観測がくすぶっています。金利上昇は銀行・保険株にはプラスですが、不動産、REIT、借入金の多い企業には逆風です。
中東情勢の緊張により原油価格は高水準にあります。INPEX、石油元売り、総合商社にはプラスですが、航空、陸運、電力、ガス、化学、食品、小売などにはコスト増加要因となります。
5.本日の日本株見通し
総合判断:やや強気。ただし高値圏で振れやすい展開
米国のインフレ鈍化、Nasdaq上昇、半導体株反発を受け、本日の東京市場は買い先行が予想されます。一方、前日に日経平均が500円以上上昇しているため、寄り付き後は利益確定売りも出やすい状況です。
相対的に注目されるのは、半導体製造装置、AI・データセンター、銀行、証券、保険、石油開発、資源、総合商社、工作機械です。反対に、航空、陸運、電力・ガス、食品、小売、化学、REITには慎重な姿勢が必要です。
投資戦略としては、寄り付き直後に半導体株を追いかけるより、午前11時の中国経済指標と午後のASML決算を確認してから方向性に乗る方が安全性は高いでしょう。
日経平均は一部の半導体・AI関連株の影響を強く受けます。金融、資源、内需株を組み合わせることで、指数集中リスクを抑えることができます。また、1ドル=162円台では円買い介入の可能性が意識されるため、輸出株のポジションを大きくしすぎないことも重要です。
本日の相場観:やや強気
米国株高は追い風ですが、中国指標、ASML決算、円相場、原油価格によって、午前と午後で方向が変わる可能性があります。高値追いよりも、重要イベントを確認しながら押し目を選別する展開が適しています。
今日も1日頑張りましょう!
免責事項
この記事は、個人的記録を目的としており、投資アドバイスを提供するものではありません。私は、金融の専門家ではなく、この記事の内容は個人的な意見や経験に基づいています。投資を行う際には自己の判断と責任において行動し、必要に応じて専門の投資アドバイザーに相談することを強くお勧めします。
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