BP(ビジネスパートナー)と共にシステム開発を進める現場で、顧客側のリーダーや上司が契約内容を理解していないと思われる場面を目にすることがあります。
いわゆるコンプライアンス違反というやつですね。
彼らの行動を見る限り、契約への無関心や理解不足が原因で、悪気はなさそうに見えます。
おそらく、私が属するSES業界では、こうしたコンプライアンス違反が多くの現場で見受けられるものの、双方に大きな問題が発生しないため表面化していないだけなのだと感じています。
ここで改めて、IT業界の3大契約である「請負契約」「SES(準委任契約)」「派遣契約」について確認してみましょう。
■請負契約
成果物の完成に責任を持つ契約です。
つまり、成果物が納品されたことを確認して初めて報酬が支払われます。
顧客が求める成果物の完成が責任範囲となるため、成果物さえ完成して納品すれば、作業の進め方や働き方は基本的に自由です。
なお、顧客からの直接的な作業指示を受けることはありません。
■SES(準委任契約)
顧客が求める作業を遂行する責任を負う契約です。
あらかじめ契約で定義した作業内容を実施し、その実績工数に対して報酬が支払われます。
成果物の完成責任はなく、顧客が求める作業を行うことが主な責任範囲です。
ただし、顧客からの直接的な作業指示や作業時間、勤務場所の管理は契約上許されていません。
■派遣契約
顧客の管理下に入り、労務を提供する契約です。
顧客の指示に従い作業を行い、作業時間や勤務場所も顧客によって管理されます。
報酬は労働時間に応じて支払われます。
以上、IT業界でよく利用される3つの契約形態について簡単に説明しました。
さらに細かいルールや運用のポイントもありますが、少なくともここで挙げた重要な点は押さえた上で業務に臨むことを期待します。
出典:SES契約の常駐エンジニアは派遣なのか、顧客の上司が直接指示・叱責してくる
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00084/00352/?n_cid=nbpnxt_twbn