インフレと、それに対応しなければならない各国中央銀行の金融戦略に戦々恐々としている金融市場は、ボラティリティを大きくしながら日々変化しています。
正に下げ相場の真骨頂ですね。
ただ、メディアは、上げれば”不安が解消した”。下げれば”不安が増大した”と、適当なコメントを繰り返し報道しているだけです。
そんな中、(一言だけではありますが)とても正しい報道をしている記事がありましたので紹介します。
■日経新聞電子版(有料記事) 高インフレで市場急変 上半期円22円下落、米株20%安
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB289MY0Y2A620C2000000/
では、記事の紹介を始めましょう。
●2022年1~6月の金融市場は歴史的な急変動となった。円相場は対ドルで22円円安と40年ぶりの下落幅となり、米国株は20%安(29日時点)と52年ぶりの下げ相場となった。
●米欧で1970~80年代以来の高インフレとなり、低インフレ・低金利の環境に慣れきった投資マネーにショックをもたらしている。
●経済構造の長期的な転換点との見方も広がっている。
1つ目は投資家であれば誰でも知っていることですね。
2つ目と3つ目は中級投資家ならば理解していることです。
現在の下げ相場に確固たる自信をもって投資ができるかどうかは、2つ目と3つ目が頭に入っているかどうかで分かれます。
1つ目だけしか分からないと、
”20%も下げたから、もう上がるだろう”
という、ぼんやりとしたお得感だけでロングを仕込んでしまったりします。
で、もう10%下げた時に損を取り戻そうとしてより多くの金額をロングに投資し、更に10%下げたところで退場となってしまうのです。
●商品指数 29%上昇(14年ぶり)
●欧州ガス 98%上昇(05年以降で最大)
●米ガソリン 72%上昇(13年ぶり)
●円相場(対ドル)22円円安(40年ぶり)
●米10年債 1.6%上昇(38年ぶり)
●世界債券指数 11%安(90年以降で最大)
●世界株価指数 18%安(88年以降で最大)
●米S&P500 20%安(52年ぶり)
●日経平均(ドル建て) 23%安(30年ぶり)
どの数字も圧巻ですが、欧州ガスの98%上昇、米ガソリンの72%上昇などは生活を直撃するので大変な数字だと思いませんか?
●冷戦後のグローバル化などで物価も上がりにくくなった。
●ところが、「新冷戦」となり、コストより安全保障が優先されるケースも出てきた。
●「脱炭素」はエネルギー価格を押し上げている。
●欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は29日、「低インフレ環境に戻るとは思わない」と語った。
どれも美味しいキーワードを含んでいるのですが、今日お伝えしたいのは3つ目の
「「脱炭素」はエネルギー価格を押し上げている。」
です。
んなこたぁ~知ってるよ🤨イマサラカヨ
という方、ここで退場してもらって大丈夫です。お疲れさまでした。
ここ以降は
どうして「脱炭素」がエネルギー価格を押し上げてるの?🤔
という方だけが読み進めてください。
「脱炭素」政策
人類を温暖化から守るため、Co2の排出量をゼロにしようという政策ですよね。
別記事から紹介します。
2021年8月の日経ビジネスからです。
●各国に衝撃が走ったのは(2021年)5月。
●アジア開発銀行(ADB)が示したエネルギー向け融資政策の草案が、想定をはるかに超える厳しさだった。
●「いかなる新規の火力発電案件にも資金支援しない」と明記し、さらに「石炭火力設備のアップグレードや改修にも関わらない」と駄目を押した。
脱炭素政策はCo2排出量をゼロにするということであり、それは化石燃料を利用しないということで、化石燃料を利用する案件には融資しないということになるのです。
エネルギー価格が高騰するなら、とりあえず原油を増産すればいいじゃん!と思っても、融資を受けられないので簡単には増産できないのです。
経済が急激に立ち上がり始めたのに対し、再生可能エネルギーだけでは供給が追い付かず、化石燃料が必要だとなっても供給することができない。
結果、エネルギー価格が高騰したわけです。
「「脱炭素」はエネルギー価格を押し上げている。」
だけでは、事情を知らない人には伝わらないと思うので、もう少し丁寧に書いてくれてあればなぁと残念な気持ちもあるのですが、この一言を語るメディアも少ないかなと思い取り上げさせてもらいました。
#脱炭素
#日本は欧州ほど踏み込んだ政策は取らないとしています
#とても正しい判断です
#知らんけど