今週、相場が大きく動きやすい一週間がやってきます。
明日6月16日に日銀、17日にFOMC。
日米の金融政策決定が、わずか二日のあいだに連続します。
しかもFOMCはウォーシュ新議長にとって初めての会合です。
先週の為替が方向感なく横ばいに終始したのは、市場参加者の多くが「結果を見てから動こう」と、この週を待っていたからにほかなりません。
先週は、いわば嵐の前の静けさでした。
では今週、その嵐をどう構えればいいのか。
今回は個別の売買ではなく、中銀ウィークという地形そのものの歩き方を整理します。
■ なぜ中銀が重なる週は危ないのか
金融政策の発表は、それ単体でも相場を動かす最大級の材料です。
それが日米で連続するということは、二日のあいだに相場の前提が二度書き換わる可能性があるということです。
ここで大事なのは、相場が反応するのは政策変更そのものより、それが市場の織り込みをどれだけ上回るか、下回るかだという点です。
たとえば今回の日銀の利上げは市場である程度織り込まれており、予想どおりに終われば「材料出尽くし」でかえって円が売られることもあります。
逆に予想を超えるタカ派なら円高に振れやすい。
日米それぞれの結果が「想定との差」で評価され、その組み合わせでシナリオが分岐するため、片方だけを当てても方向を読み切れません。
発表をまたいでポジションを持つことは、結果の出方次第で前提が二度ひっくり返りうる賭けだということです。
■ 指標週は「分析の効き方が変わる」
普段わたしたちがダッシュボードで見ているような、大口の建玉や個人のセンチメントから方向を読むアプローチは、平常時には有効です。
しかし重要指標が重なる週は、方向の予測精度が一時的に落ちます。
発表という外部ショックが、それまでの需給バランスを一瞬で塗り替えてしまうからです。
ただし、これは分析が無意味になるという意味ではありません。むしろポジションの偏り(まさにダッシュボードが映す情報)は、イベント時にどれだけ値が荒れやすいかを測る有力な手がかりになります。平常時は「方向」を読む道具が、指標週は「荒れやすさ」を測る道具に変わる――そう使い分けるのが安全です。
■ 具体的な構え方:三つの原則
第一に、発表前は大きく張らない。打診(小さく試す)にとどめ、本玉は結果が出てから入れる。往復の値動きに巻き込まれて消耗するのを避けるためです。
第二に、ポジションの偏りに注意する。直近のデータでは、投機筋(CFTC非商業部門)の円売り建玉が枚数ベースで一段と積み上がり、過去でも高い水準にあります。一方向に大きく偏った相場は、結果がその逆を突いたときに、買い戻し(ショートの踏み上げ=ショートスクイーズ)の連鎖で値が一気に走りやすい。偏りが大きいほど、急変時のスピードも大きくなります。
第三に、発表後すぐに飛びつかない。最初の値動きはダマシになることが珍しくありません。一度走ってから戻す、いわゆる行って来いも頻発します。方向が定まるのを待ってから、サポートやレジスタンスを頼りに入るほうが、勝率も精神衛生も保てます。
■ 今週の見どころ
注目は、日銀が利上げに踏み切るか、そしてウォーシュFRBがどんなトーンを出すかです。
市場では日銀が0.75%から1.0%への利上げに動くとの見方が優勢ですが、それが「想定どおり」と消化されるか、「サプライズ」と受け取られるかで、円の反応は大きく変わります。
いずれにせよ、今週は分析どおりに動く週ではなく、結果を見て素早く対応する週です。
焦って取りにいくより、嵐が通り過ぎる方向を見極めてから動く。
それが中銀ウィークの最も堅実な歩き方だと考えています。
投機筋ポジション ダッシュボード →
https://toshibu.com/cftc/
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買や投資手法を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。
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