前回の記事(投機筋ポジション(IMMポジション)とは何か)で「大口の動きを追う」という話をしました。
ただ実際にCFTCのサイトを開いてみると、数字の羅列で何が何だかわからない。英語だし、どの数字を見ればいいのかも不明。
そこから「どう読むか」を調べ始めて、最終的に自分でダッシュボードを作るところまでいったのですが、今回はその過程で学んだ「実際に使える読み方」をまとめます。
他のCOT解説記事との違いは「COTインデックス(過去52週相対値)」という指標を使う点です。ネットポジションの絶対値ではなく、過去52週の中での相対的な位置(0〜100%)で判断するため、通貨ペアをフラットに比較できます。さらに個人センチメントと組み合わせることで、より精度の高いシグナルを生成できます。
COTレポートに記載されている3種類の参加者
COTレポートには主に3種類の参加者が記載されています。
Non-Commercial(大口投機筋) ヘッジファンド・CTA・大口投機家。相場を動かす主役。私たちが注目するのはこのグループ。
Commercial(商業筋) 実需の輸出入業者など。相場のリスクヘッジ目的。
Non-Reportable(小口) 小規模トレーダー。個人投資家に近い層。
分析で使うのは「Non-Commercial(大口投機筋)」のロング枚数とショート枚数です。この2つから「ネットポジション」を計算し、さらに過去52週の相対値に変換したものが「COTインデックス」です。
COTインデックスとは何か・計算方法と見方
大口のネットポジション(ロング−ショート)が過去52週の中でどの位置にあるかを0〜100%で表したのが「COTインデックス」です。
計算式:COTインデックス = (直近のネットポジション − 過去52週の最小値) ÷ (過去52週の最大値 − 最小値) × 100
・75%以上:過去1年で見ても大口が強く買い越し → 買い方向の候補
・25%以下:過去1年で見ても大口が強く売り越し → 売り方向の候補
・25〜75%:中立ゾーン(様子見)
単純な枚数(絶対値)ではなく、過去1年の文脈での位置で評価するため、通貨ペアをフラットに比較できる点が大きなメリットです。
ただしCOTインデックスだけでは不十分です。個人センチメントと組み合わせることで精度が上がります。
個人センチメントとCOTインデックスを組み合わせた分析
個人投資家の売買比率(ロング比率)が確認できるサービスがあります(複数ブローカー統合データ)。
COTインデックスだけでなく、このリテールセンチメントと組み合わせることが精度向上の核心です。大口と個人が逆方向に傾いたとき、シグナルの強度が高くなります。シグナルはCOTインデックスと個人ロング比率の組み合わせで以下のように判定されます。
A(最強売り):COTインデックス25%以下 × 個人ロング比率65%以上 大口が売り越し、個人が買い越し。最も強い逆張り売りシグナル。
B(最強買い):COTインデックス75%以上 × 個人ロング比率35%以下 大口が買い越し、個人が売り越し。最も強い逆張り買いシグナル。
C(売りバイアス):COTインデックス25%以下 × 個人ロング比率それ以外 大口は売り方向だが個人は中立。Aより確信度は低め。
D(買いバイアス):COTインデックス75%以上 × 個人ロング比率それ以外 大口は買い方向だが個人は中立。Bより確信度は低め。
E(逆張り参考):COTインデックス中立 × 個人ロング比率65%以上または35%以下 大口は中立だが個人センチメントだけが極端に偏っている状態。方向感の参考程度。
N(中立):どの条件も未達。様子見推奨。
また、COTインデックスと個人センチメントが同方向に極端に偏っているとき(大口・個人ともに買い越し、または両方売り越し)は⚠️警告が表示されます。逆張りの根拠が薄い状態として様子見を推奨します。
このロジックを自動計算・可視化したのが私のダッシュボードです。
COTデータを毎週手動で収集・計算するのは現実的でない
CFTCのサイトは英語で、生データは読みにくい。
複数ブローカーの個人センチメントデータと組み合わせるのも手間がかかります。COTインデックスを自力で計算するには52週分のデータ管理が必要です。
そこで私はこのデータを自動取得・計算・可視化するダッシュボードを自作しました。
👉
https://toshibu.com/cftc/
ダッシュボードで扱っているのはFX通貨ペアだけでなく、株価指数(S&P500・ナスダック)や貴金属(ゴールド)のCOTデータも含まれています。
大口が株式先物・貴金属をどれだけ買い越し・売り越しているかも毎週確認できます。
各通貨ペアに週次のA〜Nシグナルが表示されています。これがCOTインデックスと個人センチメントを組み合わせた判定結果で、毎週末に更新されます。加えて、日次シグナルパネルでは「今日の入りどころ」(買い◎/○/△・売り◎/○/△)を毎日確認できます。週次が大局、日次がタイミングという2層構成です。
シグナルの具体的な読み方・週次レポートの活用法は次の記事で解説しています。
※このレポートは統計的な傾向の参考情報です。投資の最終判断はご自身でお願いします。
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